jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

ガーナ共和国

ガーナってどんな国?

首 都:アクラ
公用語:英語
人 口:約3,107万人(2020年:世銀)
国 土:238,537㎞(日本の約3分の2)
その他:政治的・社会的に安定しており、西アフリカの民主主義のけん引役という国際社会の評価を得ている

ガーナ経済は典型的な一次産品依存型で、主要輸出産品の上位を金、石油、カカオ豆が占めている。農業は国内GDPの約2割を占め、労働人口の約半数が農業に従事している。2010年以降は石油生産の開始などを契機に投資や経済活動が活発化し、高い経済成長率を維持しており、2019年には中所得となった一方、地域格差やインフラ整備、公共サービスなどの多くの課題を抱えている。

(参考文献:JICAウェブページ「ガーナ」、外務省ウェブページ「ガーナ共和国基礎データ」)

農業の特長

ガーナの農業生態学的ゾーン

農業全体に関する記載

農業は労働人口の36.4%(2019年)を農業が占めており、経済成長と貧困削減の重要なセクターのひとつ。一方GDP全体に占める農業の割合は35.3%(2000年)から17.3%(2019年)に減少していること、同時期のセクター別の成長率はサービス8.6%、工業7.4%に対し、農業2.3%となっており、農業離れが急速に進んでいる。

乾燥したサバンナから多湿な森林地帯まで、変化に富む気候帯を有している。特に東部の海岸地帯は暖かく比較的乾燥しているが、南西部は高温多湿、北部は高温で乾燥している。南部は3~7月と9~10月が雨期だが、北部は5~10月のみのため、農業生産期はメジャーシーズンとマイナーシーズンに区分されている。
食用農産物としてキャッサバ(2,085万トン)、ヤム(779万トン)、料理用バナナ(469万トン)、メイズ(231万トン)が生産されており、キャッサバは世界第4位の生産量を誇る(2019年) 。主な換金作物はカカオで、一部はカカオバター、カカオペーストなどに加工されているが、ほとんど豆の状態で輸出されている。2019年のガーナからの輸出額は約1兆7,964億円で、そのうちカカオ関連の輸出額は約2,976億円と約16.6%を占めている。

農業機械の利用状況

(1) 天水低湿地
降雨に加え、湧水などから流れる小川を利用した稲作が行われている。JICA天水稲作持続的開発プロジェクトフェーズ2が実施されたアシャンティ州では、天水低湿地で稲作が行われているが、耕うん機を使った耕うん整地作業は全耕作面積20%程度に過ぎず、収穫作業もその多くは労働者の手作業に依存している。圃場は25m×40m程度と小さく、さらにその区画に仮畦畔を設けて4~8等分し耕作している。区画面積を小さくする理由は、田面の均平を手作業で容易にするためである。

(2) 天水畑作地
主に中部から北部に広がる畑作地帯で栽培されており、コメはトウモロコシ、ソルガム、ミレット同様に主要穀物の一つとして生産されている。一方、畑作地の稲作面積と生産量は全体の5%前後に過ぎない。特に降雨に大きく左右されるため、天水畑作地帯でのコメ生産の伸びは限定的といえる。

(3) 灌漑地
灌漑地では機械化が進んでおり、南東部のポン灌漑地区やダウェーニャ灌漑地区、南部のウエタ灌漑地区、では、耕うん整地はトラクターや耕うん機、収穫はコンバインを使うことが主流。ただし、いずれの地区も農機の台数は不足しており、適期に収穫できないこと刈取り遅れが籾の損失につながることが課題となっている。

現地の様子

活動写真

2,000haの広大な面積を有するポン灌漑地区の風景。2022年時点で約2,900軒のコメ農家に活用されている

ウエタ灌漑地区内で収穫作業を請負うコンバイン。人件費の高騰や適期作業のため灌漑地区の機械化は進みつつある

ニュースレター

現地関係者向けニュースレター(英語)

  • 第1号
  • 第2号

各種報告書

調査団の報告書

準備中

プロジェクトの報告書