2021年11月16日
JICA経済開発部にて、「COVID-19蔓延による農業分野におけるデジタルツール活用の変化」を取りまとめました。概要は以下のとおりです。
1.COVID-19蔓延防止措置による農業バリューチェーンへの影響
- COVID-19蔓延防止措置は、農業バリューチェーンの各過程に様々な影響を与え、特定のバリューチェーンに従事する小規模農家は大きく収入が減少した。
2.途上国におけるCOVID-19蔓延によるデジタル農業への影響
- COVID-19蔓延により、多くの途上国の農家は収入減の打開策として、新たな情報収集と取引先開拓等のためにデジタルツールの使用頻度を増やした。また、COVID-19蔓延の混乱を契機にデジタルツールの使用を開始した農家も多い。
- 多くのデジタルサービスプロバイダーは、COVID-19蔓延による経営上の課題に、サービス拡大などによる新規顧客開拓などで対応した。
3.COVID-19蔓延以降に利用が増えたデジタルツール
- COVID-19蔓延以降、情報や投入財、市場、金融への物理的なアクセスに課題が生じたことで、デジタルアドバイザリー、農業デジタル金融、農業Eコマースの利用が大幅に伸びた。
4.デジタル農業普及のための課題
- COVID-19蔓延により、途上国の農家、農業関係者のデジタルツール使用頻度は増大したが、さらなる普及のための課題として、デジタルデバイドの拡大、ソーシャルメディアなどによる誤報の拡散、モバイルマネーサービスの収益性の低下などが指摘されている。
5.政策的含意と今後求められる方策
- デジタルツールのさらなる普及への課題に対する方策として、デジタルデバイドの改善、デジタルツール・サービスから得られる便益の最大化、デジタルツールの利用におけるリスクの軽減、農家のニーズに合致したサービスの開発・提供などがあげられる。
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