オンラインセミナー「コロナ危機下の教育協力を考える」を開催しました

新型コロナ感染症の影響により世界170か国で学校が閉鎖され、17億人もの子ども・青年の学ぶ機会が閉ざされていると言われているなか、学力の低下や学力格差の拡大が懸念されています。このような状況の下、6月29日、JICA人間開発部は外務省とともに、毎年開催されている国際教育協力連絡協議会の枠組を拡大し、オンラインセミナー「コロナ危機下の教育協力を考える」を開催しました。

政府省庁や国際機関、民間企業、NGOなどから120名を超える参加を得た本セミナーでは、各機関・団体がコロナ危機下において既に実施している取組や今後の展望を共有しました。この中で、JICAは、これまでJICAが教育協力のビジョンとして掲げてきた「途切れない学び」とその実現のための「学びの改善のための総合的なアプローチ」は引き続き有効であるものの、遠隔教育の導入やデジタル教材の開発など、子どもの学習の個別化に対応した取組の加速化、そのためのパートナーシップの強化が必要になっていることを強調しました。自由討論の場では、有識者より、日本が持つ知見と民間企業等の技術を活かしたコロナ対策と、ポストコロナ時代の新しい学習方法等に対する提案がなされました。

本セミナーを通じ、参加者は、コロナ危機は従来型の学校の概念を覆し、新しい教育、学びの在り方を模索する時代の幕開けになる可能性があるという認識を共有し、大きな時代の変革期において、国際教育協力における様々なアクター間の連携強化の必要性がかつてないほど高まっていることを再認識しました。

JICAは、教育協力はSDGsのすべての目標の基礎であるとの認識の下、目標4「質の高い教育を全ての子供たちに」の達成に向け、子供たちの途切れない学びを、多様なアクターと共に持続可能な形で実現していきます。

セミナー概要

第14回 国際教育協力連絡協議会 オンラインセミナー「コロナ危機下の教育協力を考える」
開催日:令和2年6月29日(月)14:00~16:00
主催:外務省、国際協力機構(JICA)
参加:文部科学省、経済産業省、教育のためのグローバルパートナーシップ(GPE)、UNICEF、民間企業、NGOおよび財団、有識者、国際協力機構(JICA)等

当日のプログラム

  • 1.冒頭挨拶:外務省
  • 2.報告
  • COVID-19期における教育支援と日本への期待:GPE
  • 文部科学省の取組:文部科学省
  • コロナ期における教育イノベーション:経済産業省
  • With/After COVID-19のJICAの教育協力:JICA
  • コロナ危機下の教育支援:UNICEF
  • 民間企業の取組:キャスタリア株式会社、株式会社さくら社、デジタルナレッジ株式会社、ワンダーラボ株式会社
  • NGOの取組み:教育協力NGOネットワーク(JNNE)
  • 3.質疑応答
  • 4.総括と挨拶:外務省