教育だより第29号(2020年7月発行)より

オンラインセミナー「遠隔での協力の可能性を考える」を開催-一時帰国中の数学教育・理科教育隊員が参加-

青年海外協力隊事務局では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて一時帰国しているJICA海外協力隊を対象とした、分野別のセミナーを多数企画しています。6月11日、12日には、人間開発部基礎教育グループの協力を得て、オンラインセミナー「数学教育・理科教育:遠隔での協力の可能性を考える」を開催。数学教育・理科教育隊員17名が参加しました。

遠隔での協力事例の共有

1日目は、遠隔での協力事例として、小中高生向けのオンラインでの算数の授業(キルギス)、教員養成校の学生に対するSNSを使った数学の問題発信(ミャンマー)、WEB会議システムを使った統計セミナーへの協力(コロンビア)、身近なものを使った理科実験動画の作成(ガーナ)に関する報告がありました。どの事例も任国の通信環境やツールの普及度を考慮して方法を選び、遠隔での難しさを理解した上で、生徒や学生の学習意欲を高め、学習過程を把握する工夫がされていることが感じられました。

教育分野におけるICTの活用例

2日目は、教育分野におけるICTの活用例について学びました。モンゴル隊員より、教育省が実施するテレビ番組配信と課題提示による遠隔授業に関する報告があり、実験や体験を伴う授業の減少など、想定される課題に関する考察が示されました。また、JICA基礎教育グループより、JICAの基礎教育事業におけるICTの活用事例、及び各国における遠隔教育の概況の報告がありました。

参加者の感想

本セミナーでは、自分の活動を振り返って、目的を明確化し、戦略を適切化していくこと、その上で、学びの改善のために遠隔でどんな協力ができるのかを考える重要性を確認しました。また、参加者からは「他の隊員の事例を聞いて刺激になった」「やってみないとわからないことがある」「遠隔での協力は不可能だと思っていたが、自分にもできることがあるかもしれない」といった感想が多く聞かれました。

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SNSで数学のおもしろ問題を学生に共有

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身近なものを使った理科の実験動画作成