教育だより第30号(2020年10月発行)より

コロナ禍における産学連携・学生のキャリア支援-日越大学でジョブフェアを開催-

日越大学は、日本とベトナムの友好と結束の象徴としてハノイに新設された大学で、2020年には、3期生およそ80名の修了が予定されています。

オンサイト・オンライン両方でのジョブフェア開催

ベトナムでは、早期に厳格な社会的隔離政策が採られたこともあり、4月以降、市中感染の拡大が抑えられ、日越大学でも、5月初旬からキャンパスでの授業が再開されるなど、少しずつ日常が戻りつつありました。そうした中、日越大学では、延期していたジョブフェアを8月7日に開催。直前にベトナム国内で「第2波」が確認されたことで、再延期も検討されましたが、学生のキャリア支援をこれ以上遅らせられないと、万全な感染対策をした上、オンサイトとオンラインを組み合わせる形での開催となりました。当日は、昨年を上回る14社の日越両企業(うち7社が遠隔)と、約90名の学生(うちおよそ30名が遠隔)が参加しました。

コロナ禍でのジョブフェアと工夫

検温やマスクの着用、手指の消毒といった基本的な対策に加え、「3密」回避のため、開会式を複数教室に分ける、一社に一教室を割り当てる、プロジェクターやTV・PC・Webカメラ等を総動員し、学生のオンライン参加を促すといった対策をベトナム側スタッフと協力して講じました。

また、就職活動の心得等を掲載した「学生キャリアハンドブック」を発行し、企業に広告を掲載いただくことで、奨学金として活用できる資金の確保(当日参加しない企業も含め9社が広告掲載)にも成功。参加企業からは「多くの学生に興味を持ってもらい自社を紹介できたが、時間が足りないほどだった」という声が聞かれるなど、終始盛況であり、日越大学としてもキャリア支援、企業連携が図れた有意義なイベントとなりました。

雇用環境の悪化などもあり、例年以上に、日越大学には企業と学生を結ぶ役割が期待されています。日越大学では引き続き、今回ご参加いただいた企業との接点も維持しながら、コロナ禍での学生就職支援活動を実施して行く予定です。

(執筆:山口 昌志(日越大学教育・研究・運営能力向上プロジェクトプログラム調整専門家))

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学内展示物を閲覧する参加者

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オンライン・オンサイト両方による企業説明