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【開催報告】TICAD 9 パートナー事業 アフリカ廃棄物・資源循環ビジネスセミナー「アフリカの廃棄物の今~きれいな街づくりからサーキュラーエコノミーまで~」

セミナー概要

セミナー開催日:2025年8月18日(水)
言語:日本語・英語・フランス語(同時通訳)
参加者数:アフリカ諸国からの参加者 55名(40ヶ国)、日本側企業・自治体・大学・研究機関からの参加者23名に加え、オンライン参加者は51名
主催:独立行政法人国際協力機構(JICA)
場所:JICA横浜センター/Zoomウェビナー

1.背景

循環経済はグローバルな政策・経済潮流として注目を集め、アフリカでもその導入に向けた議論が活発化している。一方で、多くの国・都市では廃棄物の収集率の向上や、最終処分場の適正管理といった基本的な課題が残されており、リープフロッグ型の発展が期待される状況にある。本イベントでは、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に合わせて「アフリカのきれいな街プラットフォーム」の総会が8月20、21日に開催され、加盟47か国の廃棄物担当部局の代表が横浜に集合する貴重な機会をとらえ、アフリカのごみ問題、循環経済の課題と、日本の経験・技術をつなぎ、持続可能な未来に向けた協働の可能性を探った。

2.目的

(1)アフリカにおける廃棄物・資源循環分野の多様な課題や政策動向をアフリカ側参加者から共有する。
(2)日本企業による技術/製品の優位性や現地適用性を紹介の上、アフリカでのビジネスを通じた社会課題解決に向けた共創の機会を創出する。
(3)「アフリカのきれいな街プラットフォーム」の各国代表と日本企業のネットワーキング・ビジネスマッチングの機会を創出する。

プログラム

【第1部】アフリカの廃棄物の今

開会挨拶:
横田雅幸(国連ハビタット アフリカ地域事務所 アフリカ南部地域担当事務所長)
大野裕枝(JICA横浜所長)

「アフリカの廃棄物分野の概況」柴田和直(JICA地球環境部次長 兼 環境管理・気候変動対策グループ長)

エジプト:Mr. Ahmed Mohamed Elsayed Khayal, Waste Management Regulatory Agency, Manager of Governorate Main Plans Support

ケニア:Mr. Molu Wato, Director, Waste Management & Pollution Control, Ministry of Environment, Climate Change and Forestry,

ガーナ:Mr. Francis Kofi Okuapeh, Head of Waste Management/District Cleansing Officer Sub-Metropolitan, Accra Metropolitan Assembly

南アフリカ:Mr. Malcolm Mogotsi, Director: Municipal Waste Support, Department of Forestry, Fisheries and the Environment

質疑応答

昼食休憩&ネットワーキング

【第2部】日本からアフリカへ-廃棄物管理ビジネスの可能性

「JICAの協力と民間企業とのパートナーシップ」柴田和直(JICA地球環境部次長 兼 環境管理・気候変動対策グループ長)

株式会社カネカ:茂呂充俊(Green Planet 推進部 品証・認証チーム マネージャー)

会宝産業株式会社:鈴木大詩(執行役員 海外事業部兼システム事業部部長)

中和機工株式会社:今尾邦明(代表取締役)

カナデビア株式会社:佐藤龍彦(海外統括本部 事業統括部 第1推進部)

質疑応答・ディスカッション:モデレーター 鈴木唯之(JICA地球環境部環境管理・気候変動対策グループ)

閉会挨拶:伊藤晃之(JICA地球環境部長)

ネットワーキング

4.結果概要

(1)冒頭の開会挨拶では、UN-HABITAT横田雅幸 南部アフリカ地域事務所長及びJICA横浜大野裕枝所長が挨拶を行った。「アフリカのきれいな街プラットフォーム(ACCP)」の概要説明の上、アフリカにおける廃棄物問題の課題解決における民間企業との連携の重要性とACCPメンバー国・都市との協働の取組への期待が述べられた。

(2)第一部では、まずJICA地球環境部柴田和直次長よりアフリカ廃棄物管理の概況とビジネス環境整備に対するACCPのネットワークと活動を通じた協力につき説明。続いて。アフリカ4か国の代表(エジプト、ケニア、ガーナ、南アフリカ)より、廃棄物管理に係る法制度や計画/戦略、管理体制、廃棄物量・収集率・処理率などのデータ、現状課題と日本企業に対する期待が述べられ、社会課題解決に資するための民間企業参入の役割と可能性を議論。

(3)第二部では、先ずJICA地球環境部柴田和直次長より、JICAのきれいな街推進事業の取組みと民間連携事業の取組につき紹介。続いて、日本企業4社より、現地ビジネスとこれを通じた課題解決への取組、現状課題と今後の展開計画及びアフリカ諸国に対する期待が述べられた。

(4)その後、アフリカにおけるビジネス展開を通じた廃棄物・循環経済に関する課題解決をテーマに、登壇者8名によるパネルディスカッションが行われた。アフリカ側からは、廃棄物管理に関する課題解決のみならず静脈産業の育成や雇用、若者の雇用創出への期待が示された。これに対し、日本企業が現地に根差して持続的にビジネスを展開し、きめ細かいアフターサービスを行う等の日本企業の強みを発揮するためには、現地人材の育成、パートナー企業への技術指導が必要不可欠であり、信頼関係を構築していくことが重要との議論が行われた。他方、アフリカでのビジネス展開における課題として、法規制や基準の策定など市場環境整備の必要性に関する議論もあり、JICAがACCPメンバー関係機関と共にアフリカの行政機関の能力強化や市場環境整備に貢献し、優れた技術・製品、知見やアイデアを持つ日本企業と共に、アフリカ諸国の廃棄物管理と循環経済に関する課題解決に取組んでことへの期待が述べられた。

(5)最後に、JICA地球環境部伊藤晃之部長より閉会挨拶として、JICAは今後もアフリカ諸国に寄添って、日本企業と連携してアフリカ諸国の廃棄物管理と循環経済に関する課題解決に取組んでいく旨と、今回のセミナーをきっかけにアフリカと日本がこれまで以上に密接に繋がり、共に社会課題の解決に取組み持続可能な未来への一歩となることを心より願う旨が述べられた

(6)セミナー終了後は、ネットワーキングの時間が1時間ほど設けられ、活発に情報・意見交換が行われ、後日に登壇た企業の工場訪問、技術/製品の視察を申し込んだアフリカ参加者もおり、交流が深められた。

会場の様子

会場の様子

パネルディスカッション

集合写真

関連リンク

お問合せ

JICA地球環境部環境管理・気候変動対策グループ:jicage_env@jica.go.jp