【コロナ対策】南スーダンにおける新型コロナウイルス感染症対策のための緊急支援-安心して暮らせる都市衛生環境を市民に届けるために廃棄物管理に携わる作業員等に防護用及び啓発活動用資材の提供-

2020年11月19日

JICAは、南スーダンにおける新型コロナウイルス感染症拡大対策にかかる緊急支援として、首都ジュバの廃棄物管理作業員等が使用する防護用資材や労働衛生安全にかかる啓発活動の為の資材等を譲与することとし、11月19日にジュバ市内で引き渡し式を実施しました。これらの資材は、現在準備中の技術協力事業「ジュバ市きれいな街プロジェクト」でも活用される予定です。

南スーダン政府は衛生環境の確保に不可欠な廃棄物管理サービスについて、医療や警察等と同様に社会を支えるエッセンシャルワークとして認識し、ジュバ市役所(Juba City Council:JCC)環境衛生局は通常業務を継続しています。しかし、医療・感染性廃棄物の処理体制が確立されていない同国では、廃棄物管理における一連の作業を通じ、エッセンシャルワーカーである廃棄物管理作業員及び市民らが使用済マスク等の感染性廃棄物に触れる機会が多く、感染リスクが懸念されていました。しかしJCCでは作業員等を感染から守るための防疫資材の調達および啓発活動のために十分な予算を確保することが難しいことから、JICAはJCCからの要請を受け、上記資材の譲与を決定しました。今回の支援により、ジュバ市において新型コロナウイルス感染予防策を遵守しながら廃棄物管理サービスを持続的に提供するとともに、労働安全衛生の理解向上を通じて、廃棄物管理の改善への貢献も期待されます。

引き渡し式では、JCCのActing Chief Executive Officer(臨時CEO)であるMartin Simon Wani氏が日本の継続的な支援に対して謝意を述べるとともに、環境林業省次官 Joseph Africano Bartel氏からもJICAの廃棄物管理分野に対するゆるぎない支援と協力について、感謝の意が表されました。またBartel氏は、ジュバ市の都市環境の改善に対するJICAプロジェクトへの期待とともに、ジュバ市におけるプロジェクト成果の持続可能性が重要な事を強調しました。

南スーダンは長年の内戦を経て2011年に独立した、世界で最も新しい国です。度重なる内戦に苦しんできた市民にとって廃棄物管理のような基本的な行政サービスが適切に行われることは、市民と行政の信頼関係を醸成するためにも非常に重要な側面を持ちます。JICAはジュバ市において無償資金協力と技術協力プロジェクトの実施を決定しており、引き続き廃棄物管理体制の強化を支援するとともに、住民の方々が安心して暮らせるきれいな街の実現に向けて取り組んでいきます。

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資材等引き渡し式の様子

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提供した啓発用資材等を使って、感染対策の指導が行われている様子

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提供した啓発用資材等を使って、感染対策の指導が行われている様子