JICAの事例紹介 (2)女性を主な裨益対象とする支援

【国別研修】農村女性能力向上研修

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開発途上国では、概して男性より女性の社会的地位が低く、世帯・村・地域・国のどのレベルにおいても女性が自分の意思を自由に表現できないことが多いのが現状です。他方で、世界で農業に従事する人々の半数以上は女性であり、大半の開発途上国において、女性が食糧の3分の2を生産していると言われています。しかし、農村に暮らす女性たちの教育や社会参画の機会は極めて限られています。

こうした中、女性主体の農村開発手法として注目されているのが、1950〜60年代の戦後復興期における日本の発展に重要な役割を果たしてきた生活改善活動です。これは、暮らしを向上させる技術と知識を普及する国の事業で、生活改善普及員が農家に通って女性グループを組織し、生活上のさまざまな課題を女性たち自身が発見し、改善活動を計画・実践・評価していくプロセスを後押しするものです。これらの活動を通じて農村女性が力をつけ(エンパワーメント)、起業を成功させたり、先進的な農村女性として地域の活性化に貢献したりする人が増え、農村開発の成功例として認識されています。

このような手法を途上国でも役立てようと、JICA筑波センターで農村女性能力向上研修が実施されてきました。この研修は約2カ月半にわたり、途上国の農村女性支援に携わる政策担当官や普及指導員に対し、日本の農村開発のプロセスと生活改善アプローチ、生活改善活動から発展した農村女性の起業活動や男女共同参画の取り組みを紹介します。研修員は学んだことを参考に、自国の課題解決の方法「生活改善実行プラン」を考えます。

2010年にニューヨークで開催された「第54回国連女性の地位委員会」では、並行して様々なイベントやワークショップが開催されましたが、本研修に参加した研修員が、日本で学んだ経験をもとに自国で実施してきた活動を世界にアピールする姿も見られました。