バングラデシュの司法アクセス向上のための調停・訴訟実務改善プロジェクトが開始!

2024.06.04

概要

国際協力機構(JICA)は、2024年4月から新たにバングラデシュで司法アクセス向上に向けたプロジェクトを開始し、6月4日にローンチイベントを実施しました。

課題の背景

バングラデシュでは、裁判手続の滞留や裁判官の不足等を原因として400万件ともいわれる裁判所の未済事件が問題になっています。政府は国家計画である「第8年次五カ年計画」(2020-2025年)にて、「正義と法の支配(Justice and the Rule of Law)」を重要分野の1つとして位置づけ、調停など裁判外紛争解決手段の促進を試みていますが未だ不十分な状況にあります。また、非効率な訴訟実務が残っており、裁判の長期化を招く要因となっています。 このような司法アクセスの阻害要因は、司法的救済により誰もが等しく権利の保障や適切な紛争解決が得られる機会を妨げるものです。とりわけ貧困層や女性など社会的脆弱層においては、紛争が離婚や子の扶養、家庭内暴力等、当人の生計手段や生活環境に関係する場合、係る紛争の長期化や解決手段の機能不全がもたらす負の影響はより深刻なものとなります。

事業が目指すところ

本事業では、パイロット地域の地方裁判所及び県レベルの法律扶助事務所における調停の活用促進による紛争解決手段の多様化、及び地方裁判所の実務改善を通じた訴訟手続の滞留減少に貢献し、バングラデシュにおける司法アクセス向上を目指します。このような司法アクセスの向上は、終局的には、どこに住んでいても、またどのような境遇にあっても誰もが分け隔てなく適切な紛争解決機関にアクセスできるという意味でバングラデシュの正義の拡大を実現し、またSDGsゴール16.3に資するものです。案件の詳細は、以下のとおりです。

ローンチイベントの成果

ローンチイベントでは司法省を始め、司法研修所、最高裁判所、国家法律扶助機構、パイロット地域の法律扶助官や弁護士会など多くのバングラデシュの司法関係者が総勢80名参加し、ローンチイベントを通じ、本プロジェクトの意義と概要をあらためて理解するとともに、日本の専門家と協力して司法アクセス向上に取り組む共通認識を持つことができました。

画像

ローンチイベントの様子(左から本プロジェクト・チーフアドバイザー藤岡専門家、JICAバングラデシュ事務所市口所長、岩間駐バングラデシュ特命全権大使、ホック司法大臣、サルワー司法省事務次官、クルスム司法省法司法局長)

案件概要

国名 バングラデシュ
案件名 司法アクセス向上のための調停・訴訟実務改善プロジェクト
実施予定期間 36ヵ月
実施機関 司法省、パイロット地域の地方裁判所及び法律扶助事務所
対象地域 ダッカ、及びパイロット地域としてノルシンディ県、クミッラ県
具体的事業内容(予定) 本事業は、バングラデシュ司法省並びにパイロット地域の地方裁判所及び法律扶助事務所における調停の利用促進、及び訴訟実務改善に向けた取り組みの進展により、もってバングラデシュにおける市民の司法アクセス向上に寄与するもの。

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