ベトナム公務員採用試験改革プロジェクト 第2回訪日研修

2024.11.13
「ベトナム公務員採用試験改革プロジェクト」では、ベトナムにおける公務員採用試験改革の一つの柱として、日本の公務員採用試験と同様に受験者のパーソナリティをみる「面接試験」(人物試験)の導入に取り組んでいます。今般、日本の公務員採用試験における面接試験(人物試験)についての調査・学習を目的として、2024年10月22日から30日にかけて第2回訪日研修を実施しました。参加者は、内務省公務員公共職員局グェン・ツ・ロン副局長を団長に、関係機関である内務省、法務省、教育・訓練省、首相府、地方内務局の職員10名です。
本研修では、人事院人材局、国税庁、国会図書館、東京都特別区人事委員会、横浜市人事委員会、日本人事試験研究センターから、面接試験の方法や面接官の研修、受験者への広報などについての説明・講義が行われ、さらに面接試験のメリットや課題についてのディスカッションが行われました。担当講師からの丁寧で分かりやすい説明と、活発な質疑応答を通じて、参加者は面接の進め方、質問展開の仕方、評価の仕方などについて理解を深めることができました。
研修員の一人である教育・訓練省のカン・チー・ズン人事局副局長からは、「今回の訪日研修では、面接試験の全体の流れを学ぶことができました。ベトナムでの採用試験には、ぜひ人物面を重視した面接試験を導入したいと考えています。」とのコメントがありました。このように、本研修は、研修員からベトナムでの導入に向けて面接試験の理解が深まったと高く評価されており、今後の公務員採用試験改革に向けた大きな一歩となりました。
研修の合間には、参加者たちは黄葉した木々の写真を撮るなど、日本の秋の風景を楽しみ、リフレッシュする機会もありました。日本に来るのが初めてという参加者もおり、こうした文化的交流も、研修の一環として有意義な時間となりました。
修了式において、グェン・ツ・ロン団長は受入機関やJICAへの感謝を述べるとともに「日程や内容が合理的で、短期間で日本の採用試験や面接試験について多くの知識を得ることができました。帰国後は、ベトナムで面接試験が円滑に実施できるよう通達などの在り方を検討し、尽力したいと考えています。」と述べました。
今後、この研修に参加した省庁が中心となって面接試験(人物試験)を導入・実施することが期待されています。今回の研修は、両国の行政分野における協力関係をさらに深める貴重な機会となりました。
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