ベトナム 公務員採用試験改革プロジェクト ~ホーチミンにおいて思考力問題の作成に関する研修を開催~

2024.11.28
本プロジェクトでは、日本の経験を参考にして、ベトナム政府の公務員採用試験の筆記試験に「思考力を問う問題」(基礎能力試験の知能分野の問題)を導入することを支援しています。
今般、11月21日、22日の2日間に亘り、「思考力を問う問題」の作題者を育成する研修を、国家行政学院ホーチミン校で開催しました。この研修には、国家行政学院ホーチミン校やホーチミン国家大学から40名を超える教官が参加しました。
この研修では、「思考力を問う問題」の内容や問題作成の具体的な方法についての講義に加え、参加者による問題作成体験、作成された問題についてのグループディスカッションや全体発表・討議が行われ、問題作成の基本的な事項を学習するとともに、参加者同士が意見交換を行いながら理解を深める機会となりました。
ベトナムの公務員採用試験(筆記試験)では、各省庁、地方機関に共通した検定試験として実施するという制度改正が行われ、現在、その実施に向けた準備が進められます。この検定試験はコンピュータで実施され、各受験者には問題バンクから個別に問題が出題されるためので、問題バンクに多数の良質な問題を保存・管理することが重要になります。
研修に参加した教官は、今後、「思考力を問う問題」の作成者として登録され、試験実施に必要な準備を整えることに寄与することが期待されています。
ベトナムが目指す「高い倫理観と専門的な職務能力を備えた公務員」の採用と育成の実現には、採用試験の公平性と妥当性の確保が不可欠です。JICAは、ベトナム政府と連携し、試験運用体制の整備や試験結果の分析手法の導入などに関する助言に加え、面接試験の実施にも協力し、ベトナムの公務員制度改革が円滑に進むよう、今後も支援を続けていきます。
公務員採用試験について説明を行うフォンプロジェクト・アドバイザー
グループ討議の様子
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