ベトナム 公務員採用試験改革プロジェクト ~本試験に向けた、パイロット試験の実施~

2025.01.20
2024年12月28日(土)、ハノイ市の国家行政学院において、公務員採用試験の検定試験(一次試験)の実施に向けたパイロット試験が実施されました。この試験は、ベトナム政府が進める公務員採用試験制度の改革の一環として行われたものです。
省庁の統廃合や人員削減などの大規模な行政改革が進むベトナムでは、公正な採用試験を通じて優秀な人材を確保することが国家の発展に繋がるとの認識のもと、公務員採用試験制度の見直しが進められています。2023年には、従来「知識問題」のみで構成されていた第1次試験を「知識問題+思考力を問う問題」から構成された検定試験に改める政令が公布されました。
日本の公務員採用試験制度に基づく知識と経験を共有することで、JICAはベトナムの改革を支援しており、採用試験の改革に向けて、これまで、「思考力を問う問題」の作成に関する研修や、作成方法をまとめたハンドブックの作成・提供などの協力を行っています。
今回のパイロット試験は、問題の難易度や適切性の分析、ソフトウェアの作動確認(ベトナムの採用試験はPCを用いて実施されています)などを目的として実施され、新しい採用試験である検定試験の実施への重要な一歩となりました。
このパイロット試験は、ベトナム内務省公務員公共職員局の主催により実施され、ハノイ市内の7大学から307名が参加しました。参加者からは「思考力を問う問題に慣れておらず、解答に苦労した」という声も聞かれましたが、このような問題を取り入れることで、単なる知識の暗記に頼らず、論理的思考力や問題解決能力を重視した採用試験が実施され、優秀な人材の採用が期待されます。
今後は、ホーチミン市でも同様のパイロット試験が実施され、得られたデータを基に試験の改善が進められる予定です。JICAは、公正で妥当性及び信頼性の高い採用試験制度の確立を通して、ベトナム国全体の発展に寄与するよう、引き続き支援を行っていきます。
謝辞を述べる内務省公務員・公共職員局のニン局長
各試験室において説明を受ける参加者
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