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国家の人権保護義務と救済へのアクセス:ビジネスと人権の促進に向けて、課題別研修を実施!

#16 平和と公正をすべての人に
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2024.12.16

概要

2024年12月2日~13日まで8カ国の国家の人権政策の策定や実施を担う途上国の11名の行政官向けに、ビジネスと人権分野の訪日プログラムを実施しました。

国連のビジネスと人権に関する指導原則は、「国家による人権保護の義務」「企業による人権尊重の責任」「救済へのアクセス」の3つの柱で支えられています。2023年度から開始され2度目となる今回のプログラムでは、「国家による人権保護の義務」と「救済へのアクセス」に焦点を置き、行政官として国家の立場から人権保護のための法制度整備や政策を検討し、各国の人権保護義務の具体的履行に役立てることを目的に実施しました。

日本の関係省庁(経済産業省、厚生労働省)、ステークホルダー(経団連、ビジネスと人権ロイヤーズネットワーク)とのディスカッション

UNDPからの講義の様子

 プログラムでは、コースリーダーの山田美和JETROアジア経済研究所新領域研究センター ・上席主任調査研究員をはじめ、国際機関(ILO、OECD、UNDP)、ASEAN政府間人権委員会(AICHR)、日本政府(法務省、厚生労働省、経済産業省)、経団連・企業、市民社会(ビジネスと人権ロイヤーズネットワーク、UAゼンセン、相思社など)、弁護士(労働者側)からの協力を得て、日本を含めた各国の多様な取組に関して共有し、各国が抱えている課題についても、意見交換を行いました。

 2日間の熊本県、水俣市でのフィールドワークでは、水俣病患者、弁護士、市民団体、企業、県など様々な関係者から直接話を聴き、水俣病の教訓から国家が国民の人権保護の義務を果たすことの重要性を学びました。
(以下、関連リンク(熊本放送、毎日新聞)ご参照)

 帰国後は、研修参加者がこれらの成果を各国での人権の保護促進につなげることが期待されます。

熊本県水俣市のフィールドワークの様子

水俣訴訟弁護団弁護士からの解説

 また、今回のプログラムの講義は、一部JICAや関係省庁内でオンライン公開し、各組織内でのビジネスと人権の主流化も同時に目指す取組を行っています。本プログラムは、JICAサステナビリティ推進方針 の事業面での実践であり、今後もJICAグローバル・アジェンダ「ガバナンス」の旗艦研修として継続していきます。
 
 JICAは今後も、開発途上国政府の人権保護能力の向上を通じて、持続的なビジネス環境やグローバル・サプライチェーンの改善に貢献していきます。

質疑応答や意見交換が活発に行われました

2023年度研修参加者からの成果発表

修了式時の集合写真

研修スケジュール

1日目 12/1(日) 入国
2日目 12/2(月) 午前:プログラムオリエンテーション
午後:講義「国際潮流&指導原則における国家の義務」
   2023年度研修参加者からの成果発表と意見交換
3日目 12/3(火) 研修員による各国のビジネスと人権を取り巻く状況発表
4日目 12/4(水) 午前:講義「環境社会配慮方針とB+HR関連事業」
講義「各国での指導原則の実施に関する事例紹介」
午後:ディスカッション「日本におけるビジネスと人権の取組と課題」
5日目 12/5(木) 午前:移動 東京→熊本
午後:視察「市立水俣病資料館」
対話「胎児性水俣病患者との対話(一般社団法人きぼう・未来・水俣)」
講義「法的観点からの水俣病解説(水俣訴訟弁護
団弁護士)」
6日目 12/6(金) 午前:視察「水俣市のまち歩き(歴史考証館)」
午後:講義&工場見学
「企業から見た水俣病(チッソ・JNC(株))」
講義「熊本県から見た水俣病(熊本県環境生活部
水俣保健課)」
7日目 12/7(土) 午後:移動 熊本→東京
8日目 12/8(日) 休日(東京)
9日目 12/9(月) 午前:人権侵害の事例:環境・健康被害
人権侵害の事例:労働・雇用被害
午後:ILO(労働問題、中核的労働基準、地域人権条約、
国外人権ネットワーク)
AICHR(AICHRの機能、国内人権機関の域内ネット
ワーク)
OECD(NCPの機能、活用事例・方法)
10日目 12/10(火) 午前:「適正な労働環境の実現のための厚生労働省の取り組み及び労働基準監督官の実務」(厚生労働省、労働基準監督署)
午後:「救済へのアクセス」
●裁判(訴訟、労働審判)ADR
●裁判外紛争解決機関 ●労働組合
11日目 12/11(水) 午前:アクションプラン作成に向けたプログラム振返り
午後:アクションプラン準備
12日目 12/12(木) 研修員アクションプラン発表会
午前:研修員発表(ベトナム、ベトナム、ネパール、ネパール、モンゴル、モルディブ)
午後:研修員発表(インドネシア、ガーナ、ガーナ、カンボジア、バングラデシュ)
13日目 12/13(金) 午前:評価会・閉講式
14日目 12/14(土) 出国

案件概要

コース名 課題別研修「ビジネスと人権」
実施予定期間 2024年12月1日~14日(3年間(各年度1回))
国名 カンボジア(1)、モンゴル(1)、モルディブ(1)、ネパール(2)、バングラデシュ(1)、ガーナ(2)、インドネシア(1)、ベトナム(2)
対象者 ビジネスと人権分野の担当省庁や国内人権機関の行政官
(厚労省4名、法務省4名、外務省1名、国内人権機関2名) 
コース名 課題別研修「ビジネスと人権」
実施予定期間 2024年12月1日~14日(3年間(各年度1回))
国名 カンボジア(1)、モンゴル(1)、モルディブ(1)、ネパール(2)、バングラデシュ(1)、ガーナ(2)、インドネシア(1)、ベトナム(2)
対象者 ビジネスと人権分野の担当省庁や国内人権機関の行政官
(労働系省庁5名、法務系省庁1名、外務省1名、人権系省庁1名) 

関連リンク

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