国際保健医療にかかる関連機関の紹介

世界銀行 WB(World Bank)

国際復興開発銀行(International Bank for Reconstruction and Development:IBRD)、国際開発協会(International Development Agency:IDA)の2つの開発援助金融機関から構成。IBRDは主に中所得国向け、IDAは低所得国向けに、開発資金の融資や贈与を行う。2030年までに「極度の貧困を撲滅」と「繁栄の共有を促進」することを目標としている。IBRDは世界銀行債を発行し市場調達した資金、IDAは各国からの拠出金が資金の中心。

世界保健機関 WHO(World Health Organization)

国際協力を通じた世界的疾病の抑制、健康・栄養の向上、調査研究の促進を目的に、1948年世界保健機関憲章に基づいて設置された。本部はスイスのジュネーブ。

国連児童基金 UNICEF(United Nations Children's Fund)

1946年に国連児童緊急基金として第二次世界大戦の犠牲となった児童の救済を目的に緊急措置として設置された。53年に国際児童基金と改称したが、略称はそのまま用いている。本部はアメリカのニューヨーク。50年頃から途上国の保健分野を中心に、栄養改善、飲料水供給、母子福祉、教育などを通じた児童への一般援助及び自然災害などの際の緊急援助を行うようになった。

国連エイズ合同計画 UNAIDS(Joint United Nations Programme on HIV/AIDS)

新興感染症のひとつであるHIV/エイズ対策のために1996年に設立された国際機関(本部ジュネーブ)。UNICEF、UNDP、UNFPA、WHO、World Bank、UNESCOの6つの国際機関の共同出資による機関である。主な役割は資金援助ではなく政策立案、技術の開発/連携、研究であり、世界50カ国にプログラムアドバイザーを配置して対象地域、国におけるHIV/エイズの予防、治療の調整および支援を行っている。

国連人口基金 UNFPA(United Nations Population Fund)

1967年に国連人口活動信託基金として設立。69年に現在名に改称したが、略称はそのまま用いている。本部はアメリカのニューヨーク。人口に関する技術援助機関。日本は大口の拠出国である。

世界結核・マラリア・エイズ対策基金 GFATM(Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malaria)

世界規模で罹患、感染拡大が懸念される感染症への対策として設立された基金。NGOをはじめとする多くの組織が要請書を提出し、基金内の審査を経て予算が執行される仕組み。我が国も主要拠出国であるがHIV/エイズはじめ疾患撲滅に必要な資金のごく一部しか充足されていないのが現状である。

ビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)

マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏により設立。保健分野を中心とした途上国の貧困削減に取り組む一方、米国内向けに教育分野の支援なども行っている。三大感染症への支援を中心とする他、ポリオ根絶ではJICAとも共同している 。

GAVIアライアンス(Global Alliance for Vaccines and Immunizations)

予防接種の拡大により、子どもたちの命と人々の健康を守ることを目的に設立。新型ワクチン普及や予防接種の効果的な提供のための保健システム強化などを支援。2005年からIFFIm(予防接種のための国際金融ファシリティ)と呼ばれる、ドナー国政府からの長期的資金拠出を担保としてワクチン債を発行し市場から資金調達する革新的な手段も活用。

米国疾病対策予防センター CDC(Centers for Disease Control and Prevention)

アメリカのみならず世界の人々の健康と安全を目的に、情報収集・研究および対策を行う米国連邦機関。本部はアメリカのアトランタ市にある。

UHC2030

UHCの推進を目指し、参加国・機関・団体等による取り組みの調整・協調を図ることを目的に設立された国際的なプラットフォーム。保健医療分野に特化して援助協調を進めるためのメカニズムとして作られた「国際保健パートナーシップ(International Health Partnership Plus:IHP+)」が改変される形で2016年に創設。2017年からは、JICAの戸田隆夫上級審議役が運営委員会の共同議長を務めている。