株式会社SynecO、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所、一般社団法人シネコカルチャーとの業務連携・協力の覚書の締結
2025.10.08
2025.10.08
独立行政法人国際協力機構(JICA)は、株式会社SynecO、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所、一般社団法人シネコカルチャーと、開発途上国における生態系の回復、拡張および持続可能な食料生産の確立に向けた業務連携・協力に関する覚書を締結しました。
JICAは2024年度より、農業生産性の向上と生態系保全の両立を目指す革新的な農法として、Synecoculture(注1)の適用可能性に係る検討を開始しました。
2025年度からは、セネガルおよびカメルーンにおいて、Synecocultureを活用した農業生産性の向上、生物多様性の回復・拡張、森林・土地劣化防止に向けた調査を進めています。
また、2025年8月には、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)のサイドイベント「自然再興と土地劣化中立社会への変革 ~生態系拡張アプローチからの提案~
」を株式会社SynecOと共催しました。本イベントでは、Synecocultureを含む農業を通じたネイチャーポジティブ社会の実現や、アフリカにおけるレジリエントな農業の可能性について発表・議論を行いました。
これらの取り組みを踏まえ、開発途上国が抱える農業と環境保全の両立という課題解決に中長期的に貢献するため、今回の覚書締結に至りました。
今後は、本覚書の枠組みのもと、Synecocultureの取り組みを通じて、開発途上国における生態系の回復・拡張や持続可能な食料生産の実現に貢献していきます。
(注1
)Synecoculture™
株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所の舩橋 真俊氏が科学的に定式化した有用植物の露地栽培法。ソニーグループ(株)の商標。生態系が元来有する自己組織化能力を多面的・総合的に活用しながら有用植物を生産。食料生産だけでなく、環境や健康に与える影響までも包括的に考えられた立体的な生態系の活用法。
舩橋真俊氏(株式会社SynecO代表取締役社長、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所リサーチディレクター、一般社団法人シネコカルチャー代表理事)コメント
このたび独立行政法人国際協力機構との業務連携を成すこととなり、大変心強く思っております。グローバルな乾燥地や熱帯林といった多様な環境において、Synecoculture(シネコカルチャー)を通じ、持続可能な農業と生態系の構築という目標を実現していくための、大変意義ある協業ととらえております。
Synecocultureの生態系構築効果は各地で実証されているところではありますが、そのより広範な展開においては、長期的視点に立った実行力と、自然と社会を持続的に繋ぐ制度構築、そして関係組織を跨ぐガバナンスの質が不可欠です。その点において、国際協力機構が有しておられる高度で透明性の高いガバナンスをはじめとする推進力が、大きな力を発揮するものと期待しております。
本取り組みをきっかけに、国境を越えて持続可能な社会の実現に寄与するべく、グローバルに多様なパートナーとの共創も進め、目標を実現してまいります。
JICA 伊藤晃之 地球環境部長よりコメント
株式会社SynecO、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所、一般社団法人シネコカルチャーの三者の皆さまと、業務連携・協力の覚書を締結できましたことを、大変意義深く感じております。
本連携は、2023年6月に改訂された開発協力大綱において重視されている、民間企業を含む多様な主体との「共創」の理念を具現化するものです。三者が有する、持続可能な農業と生態系構築に関する革新的な知見と、JICAが長年培ってきた現地でのネットワークを組み合わせることで、開発途上国が直面する課題に対し、現場で確かな成果をもたらしていきたいと考えています。
JICAとして、本取り組みを中長期的な視野に立ち、着実に推進していくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
TICAD9サイドイベント共催の様子
舩橋氏(左)と伊藤地球環境部長(右)
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