2024年10月28日~29日:デジタル化やスタートアップについても議論!「アフリカ カイゼン年次会合」を開催
2024.12.20
会議名:アフリカカイゼン年次会合
開催日:2024年10月28日(月)~29日(火)
主催:アフリカ連合開発庁(AUDA-NEPAD)・チュニジア政府・JICA共催
場所:チュニジア(チュニス)
会合には、アフリカ24か国、ドナー等186名の関係者が対面で出席。オンライン参加者は、27ヶ国180名。チュニジアからはサベット・シブ産業・鉱山・エネルギー大臣、また、各国のカイゼン推進機関、汎アフリカ生産性協会(PAPA)、AUDA-NEPAD、有識者、UNIDO等ドナー関係者、大菅在チュニジア日本国大使が参加。JICAからは下川部長、本間国際協力専門員(AUDA-NEPAD長官シニアアドバイザー)他が出席。オンラインでは、JICAプロジェクト関係者、ドナー、有識者、企業関係者が視聴した。
アフリカ・カイゼン・イニシアティブ(AKI)は、AUDA-NEPADとJICAによる2017年~2027年までの10年間のイニシアティブ。2016年第6回アフリカ開発会議(TICADVI)を契機に、カイゼン・イニシアティブのアフリカ全体への推進表明を目指している。
年次会合は、関係者間の議論やネットワーキングを通じ、カイゼンを実施する政策的な意義、各国での知見・教訓を共有し、カイゼンの理解を深め、今後の活動方針を検討することを目的に、2016年から実施していた知見共有セミナーを2018年から年次会合化して毎年実施しており(2018年南アフリカ共和国、2019年チュニジア、2020年オンライン開催、2021年タンザニア、2022年カメルーン、2023年エチオピア・ハイブリッド開催)、チュニジアでは2回目の開催となった。
アルゼンチン、コロンビア、セルビア等のカイゼン実施機関の対面参加や、インドネシアやタイからのオンライン登壇もあり、中南米、西バルカン、アジアとの知見共有やネットワーク構築の機会にもなった。
「カイゼンとイノベーションの結節点」をテーマに、カイゼンに精通しているフェリックス・ウフェボワニ大学アウレ教授、JICAのICTを専門とする小暮専門家、国連工業開発機関(UNIDO)チュニジア事務所、チュニジア産業・鉱山・エネルギー省、チュニジアのイノベーション支援拠点、インドネシアのデジタルセンター間でパネルディスカッションを実施。南アフリカ、チュニジア、インドネシアにおけるカイゼンを通じたイノベーションの事例が紹介され、活発な意見交換がなされた。
ICTを専門とする竹内専門家、チュニジアの競争力強化拠点、チュニジアの産業・イノベーション推進庁、国連工業開発機関(UNIDO)の水野氏、タイの生産技術研究所間で竹内専門家のセンサーを使ったデジタルカイゼンの取り組み、UNIDOのSSABプラットフォーム(生産データをタブレットでリアルタイムに表示するシステム)の概要・成果についてのプレゼンテーションを実施。ガーナ、チュニジア、タイの事例紹介を含めて、デジタルカイゼンの意義、成果について実践的な議論がなされた。
アフリカ諸国のスタートアップ・エコシステム構築支援に従事している不破専門家、エコシステムの構成要素について研究するユトレヒト大学のスタム教授、カイゼンを実施したチュニジアの自動車製造スタートアップ、アフリカを中心に出資をするベンチャーキャピタル(VC)間で スタム教授、不破専門家のアフリカにおけるスタートアップ・エコシステムについて発表後、チュニジアのスタートアップ・エコシステムの特徴、カイゼンのスタートアップへの適用可能性、カイゼンを導入することによるスタートアップと日本企業との連携可能性について議論がなされた。その後、コロンビア、アルゼンチン、コートジボワール、セネガルの各カイゼン実施機関間で、カイゼンの大陸内・大陸間での知識共有に関するパネルディスカッションが行われ、各国での取組や成果について意見交換がなされた。
プロジェクト関係国を中心に 9か国 から27社の応募があり、国内外の有識者からなる審査委員の審査を踏まえ、事前に上位2社×3部門の6社を選定。当日、各2社の中から最優秀賞及び優秀賞の発表が行われた。
(最優秀賞) | (優秀賞) | 応募国・数 | |
大企業部門 | モーリシャス Mauritius Telecom |
チュニジア COFICAB |
5か国6社 |
中企業部門 | エチオピア Ethio Agri-CEFT Plc. |
チュニジア La Pratique Electronique |
7か国10社 |
小企業部門 | カメルーン PROMEB |
エチオピア Awash Melkassa Chemical factory |
8か国11社 |
AKAC2024の付帯プログラムとして、AKIのCOEを対象とした初めての能力強化研修プログラムが10/30~11/1の3日間実施され、関係者含め59名が参加した。研修ではCOEの認定基準や役割ついての議論、カイゼン実施機関同士で利用できるカイゼンコンサルタントの認定試験の問題データバンクの作成、カイゼンを初めて導入する国が利用できる教材(スターターキット)の作成を行った。参加型のプログラムを通じて、活発な議論・学び・ネットワーキングの場となった。
集合写真
チュニジアの機械・電子産業技術センター(CETIME)視察
アフリカカイゼンアワード受賞式
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