セミナー開催報告:「技術協力「グローバル・カイゼン・ネットワーク展開プロジェクト(Kaizen TANGO)」 成果発表・普及セミナー(2023年11月16日 in Argentina)」

2024.04.02

本セミナーは、2017年10月から開始した約6年間にわたるグローバル・カイゼン・ネットワーク展開プロジェクト(Kaizen TANGO )の最終セミナーとして実施され、2023 年に実施したプロジェクト活動及びプロジェクト期間中に実施した活動成果の概要が報告されました。本セミナーには、山内日本国大使、ベルコビッチ経済省工業生産開発庁中小企業政策管理局長、ガラール外務省国際協力局長他、対面では約 160 名の関係者が出席した他、オンラインにより約 40 名の参加があり、「Kaizen TANGO プロジェクト」での活動成果を関係者と共有しました。

イベント概要

  • セミナー名:技術協力「グローバル・カイゼン・ネットワーク展開プロジェクト(Kaizen TANGO)」 成果発表・普及セミナー
  • 日時:2023 年 11 月 16 日(木) 9 時 00 分~12 時 30 分
  • 場所:国立工業技術院(Instituto Nacional de Tecnología Industrial)講堂
  • 出席者:約 200 名(対面:約 160 名、on-line:約 40 名)

主な登壇者

国立工業技術院(INTI) 総裁:サンドラ・マジョール(Sandra Mayol)
同副総裁:ホルヘ・エルネスト・スチェネベリ(Jorge Ernesto Schneebeli)
アルゼンチン外務省 国際協力局長:サンティアゴ・ガラール(Santiago Galar)
経済省工業・生産開発庁 中小企業管理・政策局長:パブロ・ベルコビッチ(Pablo Bercovich)
在アルゼンチン日本大使館 特命全権大使:山内 弘志
JICA アルゼンチン支所 支所長:武田 浩幸

内容

1.各機関代表者の挨拶骨子

・INTI 総裁サンドラ・マジョール氏
Kaizen TANGO プロジェクト成功の鍵の一つは、長年の日本との関係と JICA との 30 年以上にわたる協力関係により築き上げた信頼関係によるもの。出席者、プロジェクト関係者の皆様に心より感謝の意を表する。

・外務省国際協力局長 サンティアゴ・ガラール氏
国の発展の為、政府が官民パートナーシップ 推進で果たす役割は大変重要。本プロジェクトは官民連携を取り入れた良い事例だった。また、近隣諸国への技術指導を行い、第 3 国研修等、三角協力を推進できた点も大変素晴らしく、外務省としてもこのような取り組みを歓迎する。

・在アルゼンチン日本国特命全権大使 山内 弘志氏
パンデミック等の困難を乗り越え本プロジェクトが成功裏に終了しようとしているのは、プロジェクト関係者の努力の賜物。高品質の製品を効率よく生産する手法「カイゼン」がより広くアルゼンチンに普及することで中小企業の競争力が強化されることを狙いとしている。アルゼンチン中小企業がより高品質の製品を生産し、日本や域内の企業へ納入することを期待すると共に、INTI の企業指導能力が更に強化され域内への三角協力が広がり、カイゼンが各国で展開・普及することを期待。

2.成果発表概要

(1) 本プロジェクトのアルゼンチン国における活動の1つの柱は、パイロット企業への技術指導でしたが、プロジェクト期間全体で127社の中小企業に加え、27 社の市民団体へのカイゼン指導を実施しました。自動車向け部品製造の企業では、スクラップ率が17.7%→3.36%に改善され、ブエノスアイレス市内の病院においては、診察待ち時間が平均32.2分→21.3分に改善される等、製造業の生産性向上のみならず、サービス業や病院、学校、市民団体等のサービスや実施体制の質向上にも有益であることが証明されました。

(2)中南米域内へのカイゼンの普及活動では、中南米域内のカイゼン優良事例を募り、提出された19件の事例の中から10件(アルゼンチン:2 件、アルゼンチン国外:8 件(コロンビア5件、パラグアイ1件、ウルグアイ1件、グアテマラ1件))を発表し、同事例をアルゼンチン国内外の専門家が評価するパネルディスカッションを実施しました。また、Kaizen TANGO プロジェクト実施期間全体で5回の研修が実施され、20カ国から合計106名の研修員が参加しました。INTI で実施してきた品質・生産性向上の第三国研修等を通じ、域内における同分野のコンサルタントの能力強化が図られていることが確認できました。

(3)プロジェクト期間 6 年間に実施した活動は多岐に亘りますが、その中でも、国内外のパイロット企業指導、プライベート・コンサルタント協会の発足、中南米域内へのカイゼン普及と域内で共通して活用可能な企業指導ガイドの作成、バリュー・チェーン分析で成果が確認されました。また、技術的な成果のみならず、日本のカイゼンをアルゼンチンに適応する形で導入させる過程で日亜間の相互にとって大きな学びとなったセミナーとなりました。

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成果発表の様子

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INTI 総裁サンドラ・マジョール氏の挨拶

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在アルゼンチン日本国特命全権大使 山内 弘志氏の挨拶

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