【コロナ対策】南スーダンにおける新型コロナウイルス感染症対策のための緊急支援-安全な水を市民に届けるために水道事業体へ浄水用薬剤と発電機用燃料を提供-

2020年8月26日

JICAは、南スーダンにおける新型コロナウイルス感染症への対策として、技術協力事業「都市水道公社水道事業管理能力強化プロジェクト・フェーズ 2」において、首都ジュバの浄水場への浄水用薬剤と発電機用燃料を現地で調達し、8月26日に引き渡しました。

ジュバ浄水場は27.6万人への給水能力を有する首都ジュバ唯一の浄水場ですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により南スーダンでは緊急事態宣言が発せられ、政府の方針で、給水のように日常生活の維持に必要なサービスの提供に直接かかわる職員以外は自宅待機を命じられました。安全な水の供給を絶やさないことが水道事業体にとり最優先課題でしたが、資金難やウィルス感染の不安の中での業務遂行というハードルに直面し、安全な水を作るうえで必要な浄水用薬剤や、安定した浄水場稼働に必要な電気を作る発電機用燃料の調達が難しい状況に陥ってしまい、市民への安全な水の継続的供給が危ぶまれる事態となりました。このため南スーダン都市水道公社(SSUWC)からの要請により、JICAは浄水場への浄水用薬剤と発電機用燃料の供与を決定しました。今回の支援で数カ月分の浄水用凝集剤、塩素剤、発電機用燃料が供与され、その結果、安全な水を継続的にジュバの人々に供給することができます。

引き渡し式では、SSUWCのヤポール総裁が「JICAは常に必要な時にSSUWCに寄り添い支援を行ってくれる。JICAにより浄水及び給水施設の建設事業、能力強化事業が実施されているが、新型コロナウイルス感染拡大の緊急時における今回の迅速な支援に心から感謝申し上げる」と謝意を述べました。

南スーダンは長年の内戦を経て2011年に独立した世界で最も新しい国です。度重なる内戦に苦しんできた市民にとって安全な水は生活していくうえで最も必要となるものであり、平和の礎となるものです。特に新型コロナウイルス感染拡大防止のために水の重要性は益々高まっています。

JICAは本プロジェクトを通じて、今後も安全な水の安定的な供給の実現に向けて取り組んでいきます。

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譲渡状交換の様子(写真右:ヤポールSSUWC総裁、写真中央:エマJICA南スーダン事務所現地職員)

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JICAが供与した燃料を入れたタンクの前で集合写真

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JICAが供与した凝集剤

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JICAが供与した塩素剤