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-ありがとう日本-パレスチナでJICAプロジェクトの広報看板が設置されました

2021年7月13日

JICAはパレスチナ自治区ジェニン市で、2017年9月から「ジェニン市水道事業実施能力強化プロジェクト」を通じ、給水状況や経営の改善、顧客サービス、無収水(漏水やメーターの不良等により料金請求ができず無駄になっている水)の削減、水道メーターをプリペイド水道メーター(PPWM)への交換による料金徴収の改善等、水道事業運営能力の強化に取り組んできており、目に見える成果も多く出てきました。

しかし、2020年3月下旬にCOVID-19のパンデミックがジェニンを襲いました。その結果、ジェニン市の水道料金収入は減少し、市の財政状況をさらに悪化させました。これにより、市民に安全な水を給水するために必須の塩素剤の調達にも影響を与えました。4月末時点でジェニン市は約2週間分の塩素しか在庫に残っておらず、財政難により塩素を購入する資金も確保できなかったため、市民に安全な水を供給できなくなるかもしれないという危機に直面していました。このような状況下でJICAはジェニン市からの要請を受け、同プロジェクトを通じた、10,000キログラムの液体塩素(約4ヶ月分)と6台の塩素注入ポンプの調達を実施しました(図1、2)。塩素は緊急に調達され、在庫がなくなる前に最初のロットが納入されたため、安全な水道水を継続して給水することができました。

さらに、プロジェクトで導入されたPPWMは、COVID-19パンデミックで非常に効果的でした。通常のポストペイメーターからの支払いは大幅に減少しましたが、PPWMのユーザーからの支払いは安定しており、このPPWMから徴収された水道料金は、給水サービスを維持するために使用されました。ジェニン市がCOVID-19パンデミックに対応するのを支援するため、JICAはさらに、漏水修理のための配管材料やPPWM設置に不可欠な資材を供与しました。バン車両も供与し、COVID-19パンデミックに中にあっても顧客サービスの作業を効率的にできるように支援しました。

プロジェクトでは2021年5月末現在、約3200個のPPWMの設置が完了しており、そのうち1850個はJICAが供与したもので、残りはジェニン市が調達しています。顧客はPPWMの設置に対し前向きな反応を示しています。市内サバアルキル近郊に住む住民は、「当初はPPWMを信頼していませんでした、このメーターについては何も知らなかったが、設置後はとても優れていることが分かりました。メーターの課金も簡単です。」と述べ、今ではジェニン市とJICAに感謝し、PPWMをインストールするように皆に勧めています。PPWMの良好な結果を受けて、ジェニン市は、全市にPPWMを拡大するために、JICAの支援を得て、4350個のPPWMを調達中です。

これらJICAからの度重なる援助を受けたジェニン市は、プロジェクトの活動と成果、JICAの支援を広報するため、ジェニン市入口の3か所に広報看板を設置しました(図3)。看板には、プロジェクト目標であるジェニン市の水道管理能力強化に向けた活動が示されています(図4)。これらのメッセージとともに、看板には「ありがとう日本」を意味するアラビア語の「شكرا اليابان:シュクランアルヤバン」というメッセージが目立つように表示されています。これは、ジェニンの人々からの感謝のメッセージです。

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図1 調達された塩素剤

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図1 調達された塩素剤

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図2 井戸に設置された塩素注入ポンプ

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図3 ジェニン市内3か所に設置された広告看板

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図3 ジェニン市内3か所に設置された広告看板

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図3 ジェニン市内3か所に設置された広告看板

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図4 広告看板の内容
ジェニン市水道事業実施能力強化プロジェクト-JICA
お客様に良いサービスを提供するために貢献します。
・配水管網内の漏水を減らす。
・違法接続を減らす。
・水道サービスの管理を改善するためにジェニン市職員の能力を高める。
・プリペイド水道メーターをインストールする。
・料金徴収率を上げる。
・塩素を使用して水質を改善する。
お客様へ:水道料料金の支払いは、より良い持続可能なサービスにつながります。
ありがとう日本