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幹事会議事概要 平成15年度 第1回

1.日時:

平成15年11月6日(木)11:00〜12:00

2.場所:

国際協力銀行5階会議室

3.出席者:

4.議事次第:

5.審議経過:

(1)外務省有償資金協力課長から、各府省出席者の紹介、国際協力銀行総務部長から国際協力銀行出席者の紹介があった後、上記議事次第中(2)〜(5)についての説明が国際協力銀行からなされた。

(2)(1)の説明を受け各府省幹事によりなされた発言の概要以下の通り。

  • STEPのみならず、投資環境整備等国益を意識して、要請主義を越えて案件形成を図る事が重要。
  • 最近のアジア地域への貸出減少や、将来的な支出純額のマイナス転化の可能性といった状況を踏まえ、対象案件のハードからソフトへのシフト等、今後の円借款について抜本的な見直しを行うべき。
  • CDM等の京都メカニズムとODAの関係は国際的に未整理の部分があるが、それ故に我が国が先鞭をつけて先例を作っていく姿勢が必要。
  • カンボジア・ラオス等円借款単独だと出しにくい新興国については、無償や技協との連携を密にしながら供与を進めていくべき。
  • イラクでの案件形成については、各省で情報共有し、協力して進めていく事が必要。
  • 新ODA大綱に関係府省や実施機関の連携強化が謳われており、特に案件形成段階で一層の情報共有を図りたい。
  • 援助のソフト化が全体の流れであっても、国によっては貧困削減や平和構築のために経済インフラの必要性は未だ高く、ニーズに応じて援助を行っていくことが必要。
  • 5年間で150億ドルというIT支援策を踏まえ、日本の得意な通信・情報分野でのJBICの積極的な関与を期待している。
  • 新ODA大綱で、地球規模問題への取組として例示されている食料問題について、協力して進めていきたい。
  • アジア地域の国については、経済発展が著しく、援助のあり方について新しい位置付けなりを議論していく必要あり。
  • 我が国の政策全般との整合性確保という意味で、WTOやFTA交渉等、途上国の理解を得ていくべき場面で、ODAをいかに戦略的に使っていくかを検討していくべき。また、ODAのブーメラン効果による国内農業への影響を念頭におくべき。
  • 新環境ガイドラインは非常に先進的内容であると評価しており、他のOECD諸国にも同様のレベルでの実施を求めていくことが必要。
  • ODAを国益という観点から位置付ける事は、納税者の理解を得る上で重要。但し国益の概念についてはこれから政府内でよく議論していく事が必要。
  • 単なる要請主義ではなく、相手国の幅広い層と環境社会的影響等を議論しながら案件を進めるという意味、また投資環境整備等のガバナンスの強化という意味、また国際機関との援助協調上の必要性という意味において、相手国との政策協調が重要。
  • 政策金融改革との関連や他国を助けている余裕はないとの議論から、事業規模縮小を進めるべきとの意見もあるが、有償資金協力については、政策金融という観点ではなく国際的責務としての援助という観点から必要性を説明していくべき。
  • 各国の事情を踏まえて、どの国のどの分野にどの程度の支援を行うかということについては、現在でも国別援助計画の策定で行っているが、政府として一層先取りする形で考えていく必要がある。
  • STEPは国益の観点から活用すべきであるが、日本からの調達コストが高いという問題には応えていく必要がある。
  • イラクについては、援助の前提として、借入人たる政府の設立、延滞問題の解消、安全性確保等の課題があり、2007年までに35億ドルを有償でとの目途にあまり囚われず、日本が良い案件にコミットし、関与を高めることが重要。
  • 環境協力について、積極的に進めてもらっているが、今後も地方自治体による環境協力の奨励・推進等を含め一層進めていただきたい。またガイドラインは非常に先進的なものができたので、今後はこれをしっかりと運用していただきたい。
  • 新ODA大綱では「人づくり」「人間の安全保障」が謳われているところ、引き続き人材育成案件を推進していただきたい。

以上