協議会議事概要 平成16年度 第1回

1.日時:

平成16年10月15日(金)12:30〜13:45

2.出席者:

(委員)
外務事務次官 竹内行夫、財務事務次官 細川興一、文部科学事務次官 御手洗康、農林水産事務次官 石原葵、環境事務次官 炭谷茂、内閣府官房審議官 中藤泉(代理出席)、総務省総務審議官 松井浩(代理出席)、厚生労働省大臣官房国際課長 村木太郎(代理出席)、経済産業省貿易経済協力局長 中嶋誠(代理出席)、国土交通省政策統括官 春田謙(代理出席)
(外務省)
経済協力局長 佐藤重和、経済協力局有償資金協力課企画官 高田潔
(国際協力銀行)
総裁 篠沢恭助、副総裁、田波耕治、副総裁 森田嘉彦、理事 古屋昭彦、理事 岩下正、理事 岡本巖、理事 丹呉圭一、開発金融研究所長 橘田正造、専任審議役 武田薫、総務部長 角谷講治、開発業務部長 荒川博人

3.議事次第:

(1)開会・会長挨拶

(2)国際協力銀行総裁挨拶

(3)年次報告書2004、円借款活動レポート2004について

(4)平成17年度予算要求

(5)最近の円借款状況

(6)最近の開発パートナーシップ(UNESCOとの業務協力協定、大学連携)

(7)質疑応答

4.審議経過:

(1)冒頭、会長の竹内外務事務次官から開会の挨拶(概要下記)が行われた。

  • 本年、我が国はODA50周年という節目を迎えており、政府としては外交政策遂行の極めて重要な手段であるODAの役割を振り返るとともに、今後、我が国が途上国との国際協力においてどのような役割を果たすべきか、国民と共に検討していく所存。なお、円借款というスキームについては、相手国の自助努力促進、長期貸借関係を通じた安定的関係の構築、紛争後の平和構築における大規模な支援を可能にするといった特色を有しており、我が国にとってふさわしい役割を担い得るスキームであると考える。

(2)引き続き、国際協力銀行篠沢総裁から挨拶が行われた。

(3)次に、年次報告書2004、円借款活動レポート2004、平成17年度予算要求、最近の円借款状況、最近の開発パートナーシップについて、国際協力銀行から説明が行われた。

(4)上記を受け、出席各委員から概要以下のとおり発言があった。

  • 国際協力銀行と大学やUNESCO世界遺産センター間で協力協定が締結されたことは、大学等が有する知見や教育研究の成果の活用及び世界遺産の保護等の観点から双方に有益である。特に国立大学については、本年4月に法人化され、より個性豊かな魅力ある大学を目指した取組みが進められており、その多くが中期計画において途上国協力に貢献することを表明している。「人間中心の開発」としての教育分野が重視されている世界的潮流の中、開発援助関係者と大学等教育関係者が互いに連携・協力した取組みがなされるよう今後とも支援していく。
  • ODA事業を巡る厳しい環境を踏まえ、選択と集中の観点からアジアを中心として事業効果の高い案件への重点的援助、開発途上国との政策協議強化、現地タスクフォースの活用、国際機関等との連携強化等によるplan-do-seeの各段階を通じ一貫した効率的な援助、透明性と説明責任の観点から情報公開及び評価・監査の更なる充実が重要。
  • 海外で活動する我が国企業の事業環境整備に資する案件、人材育成・IT・CDM等の途上国のニーズと我が国の国益を踏まえた「ソフト」な案件、途上国での民活インフラ事業との連携が可能な案件、及び本邦技術活用条件(STEP)適用案件の発掘・形成が重要である。また、イラクについても、治安の改善が前提だが、復興案件の発掘・形成を前向きに検討頂きたい。
  • 農林水産分野の場合、以前から指摘されていることとしてブーメラン効果による日本農林水産業への悪影響に対する留意があるが、これに対応して基本的には植林案件に徐々に移行しつつあり、関係省の専門的知識、ノウハウの活用、ODAの戦略的活用とあわせ、その協力についてよろしくお願いする。
  • 引き続き環境分野に積極的に取り組むとともに、国際協力銀行による環境レビュー等を通じ、具体的な融資案件において適切な環境社会配慮が実施されることを期待する。また、関係者とのパートナーシップを重視することは、環境配慮や環境案件の効果を高める上で重要であり、今後ともこうした取組みを拡大し、多様なステークホルダーとの連携・対話の強化をお願いしたい。
  • ODA事業における男女共同参画の視点及び防災に関する取組みの推進をお願いする。
  • 情報通信分野における国際協力については、アジアを重点地域とするアジア・ブロードバンド計画等を着実に推進していきたい。
  • 近年のSARSや鳥インフルエンザの流行を背景として、公衆衛生の観点からの危機管理が喫緊の課題となっていることから、こうした分野での時宜を得た援助を引き続き期待する。
  • ODA事業におけるインフラ整備の役割と効果について、我が国及び相手国の関係者や国民に対する広報に引き続き努めて頂きたい。また、国際協力銀行と関係府省、及び円借款案件とJICAスキームとの一層の連携・協力体制強化を期待する。

以上