協議会議事概要 平成16年度 第2回

1.日時:

平成17年3月25日(金)12:30〜13:45

2.場所:

国際協力銀行8階会議室

3.出席者:

(委員)
外務事務次官 谷内正太郎、財務事務次官 細川興一、文部科学事務次官 結城章夫、農林水産事務次官 石原葵、内閣府大臣官房審議官 中藤泉(代理出席)、総務省総務審議官 高原耕三(代理出席)、厚生労働省総括審議官 恒川謙司(代理出席)、経済産業省貿易経済協力局長 中嶋誠(代理出席)、国土交通省大 臣官房審議官 春成誠(代理出席)、環境省地球環境審議官 松本省藏(代理出席)
(外務省)
経済協力局長 佐藤重和、経済協力局有償資金協力課企画官 高田潔
(国際協力銀行)
総裁 篠沢恭助、副総裁、田波耕治、副総裁 森田嘉彦、理事 古屋昭彦、理事 岩下正、理事 岡本巖、理事 丹呉圭一、開発金融研究所長 橘田正造、専任審議役 武田薫、総務部長 角谷講治、開発業務部長 荒川博人

4.議事次第:

(1)会長の選出・会長挨拶

(2)国際協力銀行総裁挨拶

(3)平成17年度出融資計画

(4)新海外経済協力業務実施方針(案)

5.審議経過:

(1)冒頭、会長の互選が行われ、全委員一致で谷内外務事務次官が選出された後、会長から挨拶(概要下記)が行われた。なお、会長代理については、必要の都度指名されることとなった。

  • 本年は「開発の年」であり、我が国としても様々な開発課題に積極的に取り組んでいく必要がある。国際場裡において我が国がODAを活用してその地位に相応しい貢献を行うに当たり、途上国の自助努力促進という我が国の援助哲学を最も良く体現している円借款を効果的に活用することが重要。国際協力銀行においては、円借款の一層効率的・効果的な実施を目指して頂くとともに、関係各省には適切な知見の提供をお願いしたい。

(2)引き続き、国際協力銀行篠沢総裁から挨拶が行われた。

(3)次に、平成17年度出融資計画、新海外経済協力業務実施方針(案)について、国際協力銀行から説明が行われた。

(4)上記を受け、出席各委員から概要以下のとおり発言があった。

  • 我が国財政が厳しい中、国民のODAのあり方に対する見方は厳しいものがある。国際協力銀行には、新ODA大綱やODA中期政策に基づき、援助の透明性や効率性を高めつつ、援助対象地域や分野の戦略化・重点化を通じて、援助の質をさらに高めることが求められている。かかる観点から、メリハリある案件選定に努めること、国別アプローチの強化、途上国の制度政策環境の改善への取組、国際機関等との連携強化等により円借款が一層有効に活用されるよう努めること、ODAの透明性と説明責任を強化すべく案件監理の強化や評価・監査の充実が必要。
  • 円借款と民間資金とをうまく組み合わせた官民パートナーシップ(PPP)の活用、我が国の技術・知見・人材及び制度の活用による「顔の見える援助」、クリーン開発メカニズム(CDM)やアフリカ、イラクの問題等グローバルな課題への対応が重要。
  • インフラ整備等においても、教育サービスの質の改善に資する効果的な支援を期待するとともに、円借款による留学生支援の充実にも努めて頂きたい。その際には、大学等が有している知見や教育研究の成果を活用頂きたい。
  • ミレニアム開発目標である貧困人口割合の半減達成のためにも、食糧関係の協力を重視する必要があり、しっかり取り組んで頂きたい。また、業務方針にも示されている我が国の重要な政策との整合性の確保という観点から、WTOやEPA・FTA交渉において開発途上国からの理解や協力を得るためにもODAを戦略的に活用するべきと考えており、ご配慮頂きたい。
  • 効果的な経済協力と業務の効率化、国連防災会議の成果を具体化するための国際防災協力の推進、また、男女共同参画への配慮をお願いする。
  • 途上国ではデジタル・ディバイドが大きな課題となっており、特に情報通信に関しては、インフラ整備、アプリケーション導入、人材育成支援をセットで進める必要がある。また、防災の観点からは防災情報システムの整備の必要性も指摘されており、この支援が重要。
  • 近年のSARS、鳥インフルエンザ流行等を背景として、公衆衛生上の危機管理の重要性が高まっており、感染症等の健康危機管理体制作りをはじめ、公衆衛生システム構築や安全な水の供給が世界共通、特にアジア地域の喫緊の課題となっている。感染症には国境が無いため、国内外の関係機関との連携による取り組みが重要。
  • 新実施方針において、インフラ支援の意義・役割を大きく位置づけた点を評価。また、遺跡保全事業等、観光資源についての支援は、地域振興あるいは貧困削減に寄与する効果があり、高く評価する。案件のメンテナンス等ソフト面の対策も視野に入れた施策を期待する。
  • 2005年2月に京都議定書が発効したが、温暖化対策に向けた地球規模での取り組みは重要な課題となっており、積極的に円借款を活用頂きたい。また、環境ガイドラインに基づく環境レビュー等を通じて、融資案件において適切な環境社会配慮が実施されることを期待する。

以上