平成19年度 第1回

1.日時:

平成20年2月29日(金)12:30〜13:45

2.出席者:

(委員)
外務事務次官 薮中三十二、財務事務次官 津田廣喜、文部科学事務次官 銭谷眞美、国土交通事務次官 峰久幸義、環境事務次官 田村義雄、総務省総務審議官 森清(代理出席)、農林水産省総括審議官 吉村馨(代理出席)、経済産業省貿易経済協力局長 安達健祐(代理出席)、厚生労働省大臣官房国際課長 南野肇(代理出席)
(外務省)
国際協力局長 別所浩郎
国際協力局有償資金協力課長 宮原隆
(国際協力銀行)
総裁 田波耕治、副総裁 森田嘉彦、理事 森本学、理事 松井英生、理事 新井泉、総務部長 矢島浩一、総務部審議役 山中晋一、開発業務部長 岡村邦夫、移行準備室(海外経済協力業務)室長 山田順一

3.議事次第:

(1)出席者紹介

(2)会長の選出・会長挨拶

(3)国際協力銀行総裁挨拶

(4)平成20年度予算(海外経済協力業務)(案)

(5)平成19年度海外経済協力業務概況及び気候変動・アフリカ支援の取り組み

(6)新JICA移行準備に係る報告

(7)質疑応答

4.審議経過:

(1)冒頭、会長の互選が行われ、全委員一致で薮中外務事務次官が選出された後、会長から挨拶(概要下記)が行われた。

  • 本年は、5月に第4回アフリカ開発会議(TICADIV)、7月に北海道洞爺湖サミットを我が国が開催する極めて重要な年である。TICADIVでは、アフリカの「成長の加速化」、「人間の安全保障の確立」及び「環境・気候変動問題への対処」を重点事項として、国際社会の取り組みを強化していく。特にTICADIVにおけるインフラ分野の支援について、円借款の役割が極めて重要となってくる。
  • 北海道洞爺湖サミットでは、環境・気候変動の問題も主要テーマとなる予定であり、本年1月に表明した「クールアース・パートナーシップ」を通じ、円借款をはじめとするODA等により、積極的に支援していく方針である。
  • また、本年10月には国際協力銀行海外経済協力業務が独立行政法人国際協力機構に承継され、新JICAが発足する。外務省としても、新JICAとともに国際競争力のある援助を実施してまいりたい。
  • なお、海外経済協力業務運営協議会は今回が最後の開催となる。

(2)引き続き、国際協力銀行田波総裁から挨拶が行われた。

(3)次に、平成20年度予算(海外経済協力業務)(案)、平成19年度海外経済協力業務概況及び気候変動・アフリカ支援の取り組み、新JICA移行準備に係る報告について、国際協力銀行から説明が行われた。

(4)上記を受け、出席各委員から概要以下のとおり発言があった。

  • 現在の厳しい財政事情の下、援助の質・効率性を向上させることが必要。援助対象の戦略的重点化、メリハリのある案件選定、各国ドナーや国際機関との援助協調の推進及び新JICAの下での有償資金協力、無償資金協力及び技術協力の有機的連携を図ることが有効。
  • 円借款の迅速化策の着実な実施とともに、プロジェクト型借款の積極的な案件形成を期待。また、本邦技術活用条件(STEP)の活用及び資源・エネルギー確保という観点からの円借款の戦略的活用が重要。
  • 大学の有する知見や教育研究成果の活用は途上国の課題解決に有効であるため、今後とも、大学との連携強化及び留学生受入れ事業の拡大に期待。
  • 途上国からは経済・社会インフラ整備、防災・減災対策に係る経済協力へ多大な期待が寄せられており、気候変動対策円借款の活用についても関係機関で密な連携が必要。また、円借款建設工事における安全対策強化について、JBIC内に各分野の専門家からなる技術支援委員会を設置するなどの措置が必要。
  • 気候変動問題に関する途上国との協力の重要性が非常に高まっているところ、新JICAにおける事業展開に期待。また、新JICA発足に向け、新しい環境配慮ガイドラインがより良いものとなることを期待。
  • 地上デジタルテレビジョン放送における日本方式の普及等、我が国の技術の国際競争力の向上を図るためには、JBICによる支援は有効。今後も放送施設整備にかかるJBICの支援に期待。
  • アフリカ開発においては、農林水産業の開発が重要。また、クールアース・パートナーシップを推進すべく、我が国は植林事業や砂漠化防止対策、灌漑事業等を通じた支援を行うことが重要。
  • 円借款の迅速化に向けた取組みや手続きの調和化を着実に推進することを期待。
  • 保健医療分野につき、近年、新型インフルエンザあるいはHIVエイズ等の感染症対策が重要な課題となっているところ、有償資金協力、無償資金協力、技術協力等スキームの枠を超えた連携の下、これまでよりも一層効果的な支援を実施していくことが重要。

以上