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【開催報告】 NGO-JICA勉強会:NGO×多様なアクターの連携に迫る

2026年2月18日および3月6日に2回シリーズで、NGO-JICA勉強会「共創で変わる国際協力:NGOと多様なアクターの連携実践」を、オンラインにて開催しました。本勉強会では、NGOと大学・研究機関、開発コンサルタントが連携し、それぞれの強みを活かしながら課題解決に取り組む実践事例が共有されました。
JICA国内事業部市民参加推進課のインターン生が、勉強会に参加し、特に興味深い内容をピックアップしてご紹介します。

ーつながりと共創:多様なアクターの取り組みに迫る ー

シリーズ第1回は「NGO×大学・研究機関」をテーマに、東京大学と農業・食品産業技術総合研究機構がバングラデシュで実施しているSATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)での、NPO法人アジア砒素ネットワークとの連携事例が共有されました。

バングラデシュにおいて、ヒ素を抑えた安全なコメと高栄養価コメの研究・普及に取り組む同事例では、研究機関側からは、現場に関する知見を拡充し、それを取り入れることで、科学的エビデンスに基づく技術開発を現場での普及へとスムーズに結びつけられる点が、連携の大きな強みとして挙げられました。一方、NGO側にとっては、日々現場で蓄積しているデータを可視化したり、新たな研究成果を十分に活用したりすることが難しい場面も多く、専門的知見によるサポートが実践の質の向上につながっていることが共有されました。

      シリーズ第1回「NGO×大学・研究機関」

第2回は「NGO×開発コンサルタント」をテーマに、二つの事例が紹介されました。
一つ目は、NPO法人CWS Japanのインドネシアでの草の根技術協力事業によるコミュニティ防災のプロジェクトに国土防災技術(株)のコンサルタントが参画しているケース。
二つ目は、アイ・シー・ネット株式会社とNPO法人ワールド・ビジョン・ジャパンが共同企業体を結成して実施している南スーダンのジェンダーに基づく暴力(GBV)被害者支援の技術協力プロジェクトです。


一つ目の事例では、互いの強みをリスペクトし合う関係性の中で、「協力すれば面白いことができそうだ」という感覚が共創の出発点になったことが紹介されました。開発コンサルタント側からも、こうした共創が他社との差別化につながる戦略になり得ることを組織内で説明し、理解を得ていったプロセスが語られました。

   シリーズ第2回「NGO×開発コンサルタント」①

二つ目の事例では、NGOが現地に拠点を構えることで得られるリアルタイムな情報や、南スーダンにおけるGBV被害者支援の知見が、現場での実務に直結する強みとして技プロにおいて活かされている点がコンサルタント側から紹介されました。また、開発コンサルタントとの連携を通じて、NGO側としても政府やドナーに対する説明責任や報告書作成のノウハウを学び、事業の信頼性や実効性の向上につながっていることが共有されました。

      シリーズ第2回「NGO×開発コンサルタント」②

-対話と信頼関係が生み出す共創のプロセス-

勉強会全体を通じて語られたのは、共創は最初から設計されたものではなく、対話や信頼関係の積み重ねの中から生まれるという点です。偶然の出会いや非公式な交流、JICA事業や人を介したつながりが、連携のきっかけとなっていることが印象的でした。
また、多様な立場や前提を持つアクターが関わるからこそ、互いの強みや役割を理解しながら進めていくことが重要であることも共有されました。すぐに答えが出ない場面があっても、対話を重ねることで相互理解が深まり、協働の可能性が広がっていくことが、複数の事例から示されました。

参加者からは、「異なる強みを持つアクターが課題解決の仲間になっていくプロセスが重要だと感じた」「共創は特別な手法ではなく、日々の対話の延長線上にあると分かった」といった声が寄せられました。

参加したインターン生の感想
  ~小さな縁が広がり、次の共創へ~

ひとつひとつの事例から、小さな出会いやご縁をきっかけに協業が始まり、次の共創へと広がっていく「共創の連鎖」を感じました。参加者からは、「誰かが縁結び役として引き合わせてくれるからこそ、協業が前に進む」という意見も出され、JICAをはじめとする関係者が、人と人をつなぐ役割を果たすことの重要性を実感しました。

また、質疑応答を通じて、参加者が新たな視点や気づきを得て、多様なアクターとの協業の広げ方や、望ましい仕組みに関する議論がさらに深まった点も特に印象的でした。今回はオンラインでの開催となりましたが、近い将来、より多様なアクターが対面で集まりお互いに名刺交換するなど、テーマごとにネットワークを広げられるような場がうまれたらいいなと思います。

(国内事業部 市民参加推進課 インターン 安戸、田邉)

<紹介事例の概要>
第 1 回「 NGO×大学・研究機関」 (2月18日開催)
・NPO 側:NPO 法人アジア砒素ネットワーク
・研究機関側:東京大学、農業・食品産業技術総合研究機構
「稲の安全性と高栄養価に貢献する育種および水管理技術の開発」(SATREPS)

第 2 回「NGO×開発コンサルタント」(3月6日開催)
事例①(草の根技術協力プロジェクト)
・NGO 側:NPO 法人 CWS Japan
・開発コンサルタント側:国土防災技術株式会社
「インドネシアにおけるコミュニティ災害レジリエンス向上」

事例②(技術協力プロジェクト)
・NGO 側: NPO 法人ワールド・ビジョン・ジャパン
・開発コンサルタント側:アイ・シー・ネット株式会社
「ジェンダーに基づく暴力被害当事者の経済的自立促進プロジェクト」