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【開催報告】未来のヘルスケア市場はここにある!急成長するバングラデシュで医療の最前線を体感 ~バングラデシュ保健医療ビジネス・スタディツアー~

2026.08.13

ノルシンディ県郡病院(Raipura Upazila Health Complex)

経済成長を続けるバングラデシュ。日本の約4割の国土に約1億7千万人が暮らし、人口の多くを若年層が占めています。今後は中間所得層のさらなる拡大も見込まれており、医療やヘルスケアをはじめとする幅広い分野で需要の増加が期待される、世界でも注目の新興国です。

その一方で、公的医療保険制度の未整備や医療人材不足、都市部への患者集中など多くの保健医療課題を抱えています。また、非感染性疾患(NCDs)が主要な死因となる中、予防・早期診断の強化や医療DX、メンタルヘルス対策など、新たなニーズも急速に高まっています。
こうした課題は、社会課題であると同時に、日本企業の技術やサービスが貢献できるビジネス機会でもあります。

JICAは2026年6月、バングラデシュにおける保健医療分野の課題とビジネス機会を日本企業の方々に現地で体感していただくことを目的に、「バングラデシュ保健医療ビジネス・スタディツアー」を実施しました。
医療機器、ヘルステック、AI、メンタルヘルス、栄養改善、病院事業など多様な分野で活躍する日本企業8社が参加。政府機関や病院、地域医療施設、保健スタートアップ企業を訪問・意見交換し、急速に変化するバングラデシュの保健医療の実態に触れました。

参加企業が現地で感じた課題や可能性、そして未来のビジネスにつながる出会いの一部をご紹介します。

1. 概要

開催日:2026年6月14日(日)~ 2026年6月18日(木)
場所:バングラデシュ国ダッカ市ならびにノルシンディ県
主催:国際協力機構(JICA)民間連携事業部 企業連携第二課、バングラデシュ事務所
後援: JETROダッカ事務所

1. ツアーの様子

<バングラデシュの保健医療システムを多面的に理解>
本ツアーでは、保健医療システム全体を俯瞰できるよう、政策立案の現場からコミュニティレベルの医療施設までを訪問/面談先を設定しました。また、医療関連企業やビジネス支援に携わる関係者との面談を通じて、保健医療分野におけるビジネス環境や事業機会についても理解を深めました。
主な訪問/面談先は以下のとおりです。

 ・保健省保健サービス総局(DGHS)
 ・バングラデシュ投資開発庁(BIDA)JICA投資促進アドバイザー
 ・Bangladesh Medical Association医療器材マーケット
 ・GME
 ・Bangladesh Medical University Hospital(BMU)(公立)
 ・Shaheed Suhrawardy Medical College Hospital(公立)
 ・Continental Hospital(私立)
 ・Ship International Hospital(私立)
 ・Mmiup
 ・ノルシンディ県病院・郡病院・コミュニティクリニック(公立)
 ・Grameen HealthTech
 ・Moner Bondhu
 ・JETROダッカ事務所(後援)

<政策担当者との対話 ~国の政策から市場ニーズを把握~>
ツアーの初日、バングラデシュ保健省保健サービス総局(DGHS)へ訪問。現在同国で深刻化する生活習慣病(NCDs)対策、栄養改善、デジタルヘルス、メンタルヘルスなどの重点課題について説明を受け、参加企業は省庁担当者と直接意見交換を行いました。参加企業からは、

「保健医療分野の優先課題を政策レベルで理解できた」
「今後の取組について直接意見を聞くことができた」

という声があり、現地ニーズを政策レベルから捉える貴重な機会となりました。

また、バングラデシュ投資開発庁(BIDA)のJICA投資促進アドバイザーと面談し、外資企業の投資環境や制度面、海外送金や関税制度など、事業展開に必要な実務的情報について理解を深めました。

保健省保健サービス総局(DGHS)

<医療機器市場・流通の現場を視察>
日本の医療機器も扱う現地代理店の一例としてMedical Material Trading Company (GME)社と面談、ダッカ市内の医療器材マーケットにも訪問し、小規模~高度の医療機関それぞれにおける医療機器流通の実態を確認しました。
参加企業は、公立・私立病院における医療機器等の調達方法や病院の運営・予算構造の違い、現地パートナー(代理店)との協業可能性について具体的な情報が得られました。

Bangladesh Medical Association医療器材マーケット

<リアルな医療現場を体感 ~地域医療の最前線へ~>
今回のツアーの特徴の一つが、都市部の大病院だけでなく、地域住民に最も近い地方・地域の医療施設まで視察したことです。
ノルシンディ県では、コミュニティクリニック、郡病院、県病院を訪問しました。
コミュニティクリニックでは、地域住民向けの健康教育や生活習慣病予防活動の様子を見学。ヘルスワーカーから、日々限られた資源の中で住民の健康を支えている現場の実情・課題について話を聞きました。
一方、県病院や郡病院では、多くの患者であふれる診察現場や入院病棟、手術室、分娩室などを視察。医療需要の高さと、さらなる設備・人材整備の必要性を実感する機会となりました。

「現地でしか分からない医療課題・現実を、肌で感じることができた」

という参加者の声が印象的でした。

ノルシンディ県病院(District Sadar Hospital)

ノルシンディ県(コミュニティクリニックによる生活習慣病予防啓発活動)

<急成長するデジタルヘルス市場を体感>
近年バングラデシュでは、スマートフォンやインターネットの普及を背景に、デジタルヘルス分野が急速に発展しています。
Grameen HealthTechでは、遠隔診療や在宅検査サービス、医療データ活用の取組について説明を受けました。また、メンタルヘルステック企業Moner Bondhuでは、同社が展開するオンライン・対面・AIを組み合わせたカウンセリングサービスについて意見交換を実施。
医療アクセス向上やデジタルヘルス市場の可能性を実感するとともに、日本の技術・ノウハウとの具体的な連携糸口を得る機会となりました。

Grameen HealthTech

Moner Bondhu

<公立病院と民間病院、課題と可能性>
ツアーでは、公立病院と民間病院の双方を訪問しました。
バングラデシュ最大級の公立医療機関であるBangladesh Medical University Hospital(BMU)及びShaheed Suhrawardy Medical College Hospitalでは、全国から患者が集まる同国医療の中核機関としての役割、人材・設備不足・デジタル化の遅れという課題について説明を受けました。
一方、Ship International HospitalやContinental Hospitalでは、民間病院ならではの経営方針、医療機材・薬剤等の調達方法、高度医療サービス提供状況について説明があり、活発な意見交換が行われました。
異なる立場の医療機関を比較することで、市場構造やニーズを多角的に理解する機会となりました。

Bangladesh Medical University Hospital(BMU) 

Continental Hospital

Ship International Hospital

<参加企業の声>
参加企業からは、多くの前向きなコメント、ツアー内容への高い評価が寄せられました。

・保健省(政策担当者)や医療機関との意見交換を通じて、現地の政策動向や医療課題を具体的に把握できた。
・コミュニティクリニックから公立・私立病院まで幅広く視察し、保健医療システム全体への理解が深まった。
・日本にいては見えない、医療現場を直接訪問しないと分からない課題や市場機会を実感できた。
・各企業のビジネスに合わせた訪問先がアレンジされており、新たな協業に向けた可能性を具体的に見出せた。
・現地パートナー・関係機関とのネットワーク構築につながり、事業化に向けた第一歩となった。
・JICAやJETROのネットワークを通じて、企業独自では難しい多様な関係者との対話・現場視察が出来た。

3. 参加企業

エースチャイルド株式会社
株式会社システムブレイン
双日株式会社
株式会社Solafune
大研医器株式会社
株式会社調和技研
東亜産業株式会社
株式会社ユーグレナ

4. 今後に向けて

ツアー中や終了直後から、現地医療機関との実証に向けた協議や、代理店候補との連携検討など、既に具体的な動きも始まっています。
JICAは今後も、企業・医療機関・行政機関をつなぐネットワークづくりを通じて、日本企業による事業化検討やJICA Biz活用を支援し、開発課題の解決とビジネスの両立に挑戦する日本企業とともに、バングラデシュの保健医療分野の発展に貢献していきます。

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