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【事例紹介】9月1日は防災の日!101年前に関東大震災があったこの日に、インドネシアで地盤改良に取り組む企業を紹介します - 株式会社ワイビーエム(佐賀県)

2024.11.18

インドネシアは広い国土の下に大小複数のプレートがあるため、地震や火山の被害が多い国です。また同国は国土の約10%が軟弱地盤と言われ、インフラ開発計画の中心となる高速道路建設の際の不安要素となっています。高速道路の開発事業者である国営建設企業もこの軟弱地盤を克服する必要があると唱え、新技術が求められていました。
そこで株式会社ワイビーエムは中小企業・SDGsビジネス支援事業(JICA Biz)を活用し 軟弱地盤地域ゆえに生じるインフラの地盤沈下の防止と地震被害の抑制に貢献すべく、インドネシア国内で施工事例の無い新たな地盤改良工法「中層混合処理工法」の導入と普及に取り組んでいます。
この工法は軟弱地盤内に主にセメントと現地地盤の土を混ぜた支持杭(改良体)を造成し、地盤を補強する役割を担うもので複雑な土層状況に対応可能であることが強みです。この「中層混合処理工法」はセメント系固化材による地盤改良の一種で、日本国内では様々な工法が多く考案され、普及しており、2011年の東日本大震災でもこれらの工法を施した場所では被害を最小限に抑えることができました。
2024年1月には同社とともに事業に取り組んだ現地カウンターパート公共事業省地盤・トンネル・構造物センターが作成した中層混合処理工法に関する技術基準書がインドネシアで承認され公共工事に適用可能となりました。実際に、ジャカルタ近郊の都市ブカシで建設中の自動車試験場のテストコースの地盤安定化工事に採用されました。また、インドネシア国内で主に日系及びインドネシア地場のゼネコン、設計コンサルタント、地盤改良工事の専門業者へ周知活動を続けており、工法普及に取り組んでいます。
インドネシアの方々が安全に暮らせるように縁の下の力持ちとしてインフラを支える同社の取り組みをさらに知りたい方は以下の記事もご覧ください。

■同社の案件概要はこちら↓
https://www2.jica.go.jp/ja/priv_sme_partner/document/815/F171505_summary.pdf

■信金中央金庫ニュース&トピックスでの特集記事はこちら↓
https://www.scbri.jp/reports/newstopics/20230619-jicasdgs3.html

■JICA Bizについてはこちら↓
https://www.jica.go.jp/activities/schemes/priv_partner/activities/sme/index.htm

試験施工サイト図。試験施工の実施対象地は、Trans Smatera縦断高速道路計画のPekanbaru-Dumai工区内であり、土地所有者はカウンターパートのフタマカリヤである。周辺はPT.MRINI WOOD INDUSTRIが所有するアブラヤシ農園である。

提案製品GI-80C-HT-KFの操作指導の様子。フタマカリヤの技術者へ各部の名称と機能説明、運転操作、点検整備の内容、使用オイル、交換部品等、日常点検要領を指導した。

試験施工視察会のデモンストレーションの様子。技術移転されたインドネシア人オペレーターが運転・操作を行い、同国のオペレーターでも充分操作できることを示した。

試験施工改良杭の掘削展示の様子。施工した改良杭を目視できるように掘削し、杭の固化状況の理解を深めるとともに当該技術の品質を確認した。

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