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【事例紹介】使用済み食用油を使ってクリーンなディーゼル燃料を生成 - ケイナンクリーン株式会社(岐阜県)

2025.01.23

モルディブはインド洋に浮かぶ島国で、美しい海と白い砂浜があるリゾート地として知られています。

そんな同国を初めての海外展開の地として選んだのがケイナンクリーン株式会社でした。同社は日本国内で一般廃棄物及び産業廃棄物の収集運搬業務、浄化槽の維持・管理、リサイクル事業を行っていますが、近年はバイオディーゼル燃料とグリセリン洗剤を研究・開発し、事業化に取り組んでいます。そこから得た、廃棄油からバイオディーゼル燃料を生成する技術をモルディブでも活かそうと、JICAの中小企業・SDGsビジネス支援事業(JICA Biz)を通じてニーズ確認調査を行いました。

モルディブではほぼすべての発電を輸入化石燃料に頼っており、その一つであるディーゼル燃料は発電のほか輸送船、重機の燃料に使用されています。同社はこのディーゼル燃料を同国内で廃棄された食用油(廃食油)で生成した高純度バイオディーゼル(以下、ReESEL)に転換することを目的としています。 ReESEL は原料となる食用油が植物由来のため化石燃料と違い燃焼した際に排出される二酸化炭素は実質ゼロとなり、黒煙と硫黄酸化物などの排出量が大幅に削減できることが強みです。また現在同国では廃食油の回収がごく一部でしかされておらず、一般的に排水溝やトイレ、側溝に捨てたり、他の家庭ごみと混ぜて捨てられたりしています。そうした処理から起こる海洋汚染の軽減にも期待されています。

2024年12月には、同事業のビジネス化実証事業に採択され、今後は現地にプラントを設置して 廃食油からReESELを生成する予定です。同国のディーゼル燃料輸入量は年間約70万トンという中で廃食油の年間排出量は約200万トンと言われております。同社のReESELが既存のディーゼル燃料に置き換えられていくことを期待しています。

■案件概要はこちら↓
https://www2.jica.go.jp/ja/priv_sme_partner/document/1502/Nz221033_summary.pdf

■JICA Bizについてはこちら↓
https://www.jica.go.jp/activities/schemes/priv_partner/activities/sme/index.html

ReESEL

ReESEL製造設備

ゴミ収集車に積まれた廃食油回収用のタンク(黄色)。
現在は一般家庭からの回収は行っておらず、首都圏の一部ではホテルやレストランといった観光・外食産業から廃食油の回収を行っている。

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