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【事例紹介】気候変動に悩まされるベトナムの稲作に解決策を - 丸善製薬株式会社(広島県)

2025.06.16

アジア、特にベトナムは気候変動の影響を受けやすく、農業生産の不安定化が課題となっています。主要産業であるコメ産業も例外ではなく、高温、干ばつ、洪水などの影響により、収量や品質の低下に直面しています。このような背景のもと、丸善製薬株式会社は、自社開発の製品である植物成長促進剤「コメとれーる」を活用し、ベトナムでのレジリエントな高品質米生産促進を目指す基礎調査を、中小企業・SDGsビジネス支援事業(JICA Biz)を通じて実施しました。
植物成長促進剤「コメとれーる」はアオウキクサ由来の天然成分を活用した水稲用のバイオスティミュラント資材で、種籾を収穫前に一晩浸漬するというシンプルな使用方法により稲の健全な生育を促し、ストレス耐性を高める効果が期待されています。
「コメとれーる」を通じてベトナムの稲作が抱える「天候に左右されない安定収量の確保」「倒伏害による収量減の緩和」「整粒歩合の向上」といった課題解決への貢献を目指しています。具体的には、日本で製造した製品を現地の販売代理店を通じて大規模農家や農業法人を中心に供給し将来的には、ベトナム国内の総稲作面積の2%にあたる144,000ヘクタールへの導入を目標としています。
同社は2024年12月に基礎調査を終え、2024年度に採択されたビジネス化実証事に取り組む予定です。

本事業を担当する同社の素材開発部 大野さんからは「先の基礎調査を通じて、ベトナム国の稲作農業が抱えている課題を詳細に調査させていただくことができました。弊社「コメとれーる」の日本で培った経験と実績を活かすことで、ベトナム国の稲作農業が抱えている課題解決に貢献することができるビジネス展開に繋げたいと考えております」とコメントを寄せていただきました。

厳しい気候環境下でも稲の生育不良が緩和され、収量増、品質向上ができれば農家や農業法人の経営安定化にも繋がります。世界第二位の米輸出国であるベトナムの農業を支える同社の取り組みに注目です。

■案件概要はこちら↓
https://www2.jica.go.jp/ja/priv_sme_partner/document/1467/K212021_summary.pdf

■中小企業・SDGsビジネス支援事業(JICA Biz)についてはこちら↓
https://www.jica.go.jp/activities/schemes/priv_partner/activities/sme/index.html

コメとれーる

種籾浸漬

同社の素材開発部 大野さん

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