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マラウイ ― 注目分野(農業・産業開発分野)

JICAマラウイ事務所は、50年以上にわたる協力の歴史がありますので、これによって築かれたマラウイ政府からの信頼とネットワークが強みであり、ご関心のある企業の皆様のお力になることができると思います。まずはJICAマラウイ事務所またはJICA本部の民間連携事業担当へお気軽にご相談ください。

特に応募を期待する領域

マラウイ政府は、長期国家開発計画(MW2063)における3つの柱の一つとして「農業の生産性向上と商業化」を掲げており、1)農産物の多様化、2)灌漑開発、3)大規模農業スキームの形成、4)質の高い農業投入材の供給、5)農業の機械化、6)輸出を含む農業市場の構造化、7)農業技術イノベーション、の7つを重点分野として設定しています。
JICAでは、MW2063に沿って、「農作物の多様化」を目指した稲作の栽培とマーケティングにかかる技術協力、「灌漑開発」、「輸出を含む市場の構造化」を目的とした農業ビジネス振興支援や日本発祥のカイゼン技術の普及に取り組んでいます。

マラウイ国の現状

農業セクターはGDPの23.2%を占め、輸出収入の約80%を担う主要産業です。セクター最大の産業であるタバコは、2021年の輸出総額のうち約37%(4億840万ドル)を占め、砂糖(7%)と茶葉(6%)を含めた3製品で輸出総額の半分を占めます。近年、タバコは欧米を中心に需要が減少しているため、代替の外貨獲得手段の発掘が課題とされており、タバコに代わる新たな輸出産品としてはマメ類やコメが注目されています。
マラウイ全成人の約75%が農業及び関連事業に従事しており、経済成長の原動力となっていますが、農業人口の約90%は小農(耕作面積が1ha未満)で、人口増加に伴い一人あたりの耕地は減少傾向にあります。マラウイの農業は灌漑開発の遅れから天水農業を軸としているため、主要な農産物であるメイズの収穫量は天候に大きく左右され、国家・世帯レベルで断続的に食糧不足が発生しています。また、近年ではツマジロクサヨトウや口蹄疫などの病害虫被害、サイクロンなどの災害による農業への影響も大きな課題となっており、気候変動に適した持続可能な農業が求められています。

これまでの事業実績

【宮城県とJICAが連携してマラウイの灌漑開発に貢献】
宮城県農政部は、雨季の天水に依存した小規模農家の不安定な作物栽培への課題解決に協力するため、2010年から2015年にかけて3名の県職員(農業土木技術職)を青年海外協力隊員としてマラウイのデッザ県に派遣し、更に2011年から2020年にかけて3つの草の根技術協力事業を実施し、マラウイへの技術移転を行いました。自治体職員の青年海外協力隊への連続派遣と、草の根技術協力事業をあわせた国際協力事業の実施は、全国でも初めての画期的な取り組みでした。

【宮城県】宮城県がJICA理事長表彰を受賞 ~マラウイでの農業水利人材育成に貢献~ | 日本での取り組み - JICA

【京都大学がJICAの草の根技術協力事業にてマラウイの土壌改善に貢献】
京都大学大学院地球環境学堂は、化学肥料の価格が世界的に高騰し、マラウイ国内でも化学肥料を使用できない農家が増えており、農業の生産性低下が問題視される中、JICAと連携して、マラウイのムジンバ県において、エコロジカルサニテーショントイレ(環境衛生式トイレ)、及び人間のし尿を使った有機堆肥の普及を行い、小農の収入向上支援に取り組みました。

ELSaNプロジェクト [Environment, Livelihood and Sanitation Nexus] ー 日々の暮らしで肥料をつくり豊かできれいな未来を! (kyoto-u.ac.jp)