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ルワンダ ― 注目分野(ICT分野)

直面している課題

■ ICT分野での雇用不足
 ・ICT企業が少なく小規模。一方、大学や職業訓練校でICTを専攻する学生数は全体の約1割強
 ・優先活用分野(①気候変動、②環境保護、③農業、④採掘)毎のデータ(無償衛星、有償衛星、ドローン等)の利活用の経験不足
■ スケールアップするスタートアップが少ない
 ・マネジメント経験、技術スキルマーケティングスキル不足
 ・FabLab等のスタートアップ向けワークショップの脆弱な運営体制と製品開発能力が不十分
■ デジタルリテラシーが低い
 ・国民ITリテラシー35%(2023)
 ・携帯普及率は78.1%に対し、未だ高価なスマホ普及率は24%(2023)

当該分野の現状

2000年から国家ICT戦略をもって継続的にICTを国の開発の柱にする戦略を続けてきている。このため、世界的に見てもルワンダのICT立国としてのブランドイメージは高く、ICTインフラやアプリケーションの整備は、光ファイバー網は全土、3Gと4Gも国土の9割以上をカバーするなど目覚ましい成果を上げています。政府としては、更にアフリカにおけるリーディングICTハブ となることを目標として掲げています。

2015年には公共サービスのデジタル化を行うIremboプラットフォームを立ち上げて、800万人に電子証明書等のサービス提供するなど、電子政府サービスを先駆けて進めてきました。その他にも、One Laptop Per Child(OLPC)、250Startups(企業育成プログラム)、Digital Ambassador Program(デジタルリテラシー向上)などのイニシアティブが立ち上がっています。

また、国内外の企業がPoCを行うための政策と規制の枠組み(規制の砂場)も他のアフリカ諸国に先駆けて制定され、国外企業による革新的なPoCが行われています(例:Zipline社によるドローンでの血液輸送、バベル社によるAIを使ったヘルスケアサービス、ソフトバンク社による無人航空機を活用した5G通信、Starlink社による低軌道衛星通信を介したインターネットサービス等) 。
しかしながら、市場規模の課題もあり、未だ多くのPoC事例は実証実験の域を超えず、ルワンダ産まれの企業の多くは起業の最初の段階を超えていないのが現状です。エコシステム(起業家支援アクター、投資環境):開発機関(EU、GIZ等)や外資財団(Norrsken)など多数の支援アクターが存在しますが、多くがアーリーからシードレベルの起業家・スタートアップを対象としたもの。また、資金調達件数はアフリカ屈指であるものの、多くがシードラウンドにおける事例であり、よりスタートアップがスケールするための素地は周辺国(ケニアやナイジェリア等)に比べると劣るのが現状です。

参考リンク

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