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ラオス ― 注目分野(廃棄物分野)

都市部での人口拡大、観光地での観光客の増加などに伴う適正な廃棄物処理は喫緊の課題です。日本の技術を生かした廃棄物処理にかかる製品・サービスのご提案を心よりお待ちしています。

特に応募を期待する領域

応募を期待する背景・ラオス国の現状

ラオスでは、近年の都市化進行による人口増加の影響を受け、都市の最終処分場の残余容量が不足しつつあり、廃棄物収集率も低水準に留まっています。また、主要都市には廃棄物の最終処分場はあるものの、人材、技術、機材及び運営費の不足等の理由から、環境上適切な埋め立て処分ができないため、火災や病害虫の発生や悪臭等の問題が顕在化しています。

ラオス政府は、国家社会経済開発計画(NSEDP9)において、天然資源と環境の持続可能な利用と管理を優先課題として定め、その中で廃棄物管理については、都市部における廃棄物処理システムの整備、国民に対する廃棄物管理の意識向上、リサイクルによる管理への転換に向けたビジネスの導入を掲げています。
 
その一方で、ラオスの廃棄物関連法規では、産業廃棄物について明確な定義がなされておらず、法令で許可を受けた産業廃棄物処理業者が適正に収集・運搬・処理・処分を実施する体制・環境とはなっていない現状があります。そのため、進出した企業が自ら廃棄物の焼却や最終処分を実施することもあり、企業の社会的責任からも適正な廃棄物処理に対する一定のニーズがあると思われます。

製造業がある程度集積している地域としては、「SEZ国家委員会」により承認された経済特区(Special Economic Zone:SEZ)が挙げられ、ラオス国内で9カ所が稼働しています。そのうち、日本企業は首都ビエンチャン、サワンナケート県、チャムパサック県のSEZへの進出実績があります。チャンパサック県にあるパクセージャパン経済特区は日系企業専用の経済特区です。
また、ルアンパバーンは世界中から観光客が訪問する世界遺産の街です。昨今ではオーバーツーリズムが課題となっており、ゴミや汚水排出による環境の汚染が懸念されます。そのため、これら対策へのニーズも高いといえます。

留意点

ラオス政府(地方自治体含む)の財政状況は財政赤字が当面続く見通しであり(IMF、2023)、日本の行政サービスをそのまま適応させた政府・自治体からの収入だけを期待するビジネスモデルの実現可能性は高いとは言えません。よって、民間企業や病院等から直接支払いを受けるようなビジネスモデル、排出元となる民間事業者等の廃棄物処理コストの軽減や廃棄物・排水量を削減できるような革新的な技術や製品などの提案が求められています。

参考リンク