- トップページ
- 事業について
- 事業ごとの取り組み
- 民間連携事業
- 途上国の課題/ビジネスニーズを知る
- 中東
- パレスチナ ― 注目分野(農業分野)
パレスチナ自治区(以下、「パレスチナ」)は、農業分野がGDPの3.7%を占め、特に畜産業は同GDPのうち40~46%を占める重要産業の一つで(FAO、2019)、パレスチナ西岸地区では2021年時点で、約37,000人の農家が畜産業に従事しており、肉用鶏570万羽、卵用鶏300万羽、食用羊71万頭、食用山羊23万頭、畜牛5万頭が飼育されています(パレスチナ農業統計、2021)。パレスチナの 2020 年の農業セクターの経済的付加価値は 全体の 7.4%、労働力人口は 12.9%を占め、イスラエルとの紛争下 において、食料安全保障、コミュニティ再建、及び土地保全の観点から治安の安定及び発展において重要なセクターです。
他方で、パレスチナの農業は、農業生産性の低さが課題で、加えて、紛争地特有の問題も多く、イスラエルによる分離壁と入植地建設のための農地の収奪・分断、地下水等の水資源利用の制限、検問所による移動・物流の制限といった構造的な課題もあります。これらの課題を克服するためにも、農業分野における生産性を向上させる技術やノウハウが広く求められています。
応募を期待する領域
畜産(飼料作物及び飼育の生産性向上)
応募を期待する背景・パレスチナの現状
パレスチナでは降水量が少ないため牧草の生育速度が遅く不安定で、畜産農家は外部から飼料を買わざるを得ず、パレスチナ農業庁によると、家畜生産に係るコストの7割は飼料購入費と言われています。他方、近年の輸入飼料価格の高騰は畜産経営を圧迫し、飼料作物の生産性向上は喫緊の課題となっています。また、パレスチナ内の食肉生産増加を実現させるため、飼料確保だけでなく、人工授精の普及などによる羊の繁殖効果や子羊の成長パフォーマンス向上も欠かせません。飼料作物、及び飼育の生産性向上は、農家の収益性向上や経営の継続性をもたらすだけでなく、パレスチナにおける食の安全保障と自立的な経済発展に寄与するものと期待されています。
農業戦略(2025年~2026年) “Seeds for change”
2024年10月にパレスチナ農業庁が作成した2025年から2026年(2ヵ年)の農業戦略です。計画は、①牧草栽培拡大、②灌漑整備、③環境保全、④農家保護の4つが柱となっています。
scroll