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関西学院大学からの2022年度後期インターンの活動が終了しました (キルギス日本センター)

2023.03.03

2023年2月21日、キルギス日本センター(KRJC)で5カ月間に亘りインターンとして活躍いただいた、関西学院大学国際学部2年生、仲宗根佳南さんが、活動期間を満了し帰国の途につきました。

仲宗根さんがKRJCでのインターンに応募するきっかけは、彼女の高校時代に遡ります。英語力向上を目的に交換留学したアメリカ・ユタ州の学校は、世界各国からの難民学生が多く学んでいました。所属したロボティクスチームで多くの難民のチームメイトと共に鉄パイプを切り、ネジを打ち込みながら、お互いの親交を育んでいきました。帰国前、特に親しくなったシリア人の男子生徒から、「日々銃声が飛び交い、目の前で首を切られて人が死んでいく生活だった。日本で生まれた佳南の人生は簡単なものだよ」、と打ち明けられました。これまで地元沖縄の学校で平和教育を学び、またニュースやネットで理解していると思っていたものが、生々しい世界のリアルとして心を揺さぶり、そこから難民や、その背景にある開発途上国の抱える問題にアプローチする国際協力への強い想いが生まれました。そして、関西学院大学国際学部に入学し、未知なる国キルギス共和国のKRJCでのインターンを志望いただきました。

KRJCでは、相互交流活動、及びKRJCと協力関係にあるキルギス天才日本学校や、キルギス国立総合大学付属高校での日本語教育支援・日本文化紹介事業に携わっていただきました。仲宗根さんは、インターン活動を振り返り、次のように感想を述べています。

「KRJCでの5カ月間、幅広い数々の業務に取り組みました。これまでデスクワークの経験がない中で、大規模な日本留学フェアの緻密な準備作業はかなり大変でした。また、キルギス天才日本学校での週1回の活動は、最初は経験豊富なキルギス人日本語教師が行う日本語の授業を、生徒たちに対して横から手伝う役割のみで、自分自身がいる価値がよく見いだせずにいました。どうしたら、この現場で自分らしさを出して、活かしていけるのだろう。悩みながら、模索しながら、少しずつ行動に移していきました。そうするうちに、天才学校では、授業の最初に、その日の日本語学習のテーマに沿ったプレゼンをする時間を15分位任されるようになりました。どのクラスの生徒たちも、私の話に目をキラキラさせながら耳を傾けてくれて、そして話が終わると、沢山の質問が飛び交うようになりました。生徒達との距離がぐっと近づきました。「ヨーデルヨーデル♪」と、クラスで教えた妖怪第一体操を口ずさみながら廊下を歩く子供たちのとても可愛い姿に、心が弾みました。体調を崩して活動を休み、久しぶりに学校に行ったときには、「かなせんせいあいたかった~!」と生徒たちが駆け寄ってきてくれました。帰国前の最終訪問時には、多くの生徒が別れを悲しんでくれて、沢山ハグをしてくれました。
天才学校へは、日本語クラスのサポートとして訪問していましたが、私の方が生徒達から多くのものを貰っていたと思います。この5か月間、彼らの勉強する姿を隣で見守ることができて、一緒に色々な思い出を作ることができて、本当に楽しかったです。
そして、彼らがこの学び舎での学校生活を通して、彼らの人生、彼ら自身に可能性を見出し、世界へ羽ばたきたい、日本に行きたいという希望を持つとき、その理由となる思い出のひとつに私がいればいいなと思います。」

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「キルギス日本センターでは、本当に多くの「場」を与えていただきました。その場をどう活かしていくかは、基本的にインターンの主体性に任されています。活動を終えた今、学生インターンにそのような様々な経験の舞台を用意してくれたことに、とても感謝しています。異文化の真只中で、自分の頭で考え、試行錯誤しながら乗り越えてきたこと、その中で自分自身と向き合った経験、そこで培った人々との繋がり。キルギスでの5カ月間のインターン活動は、今までで一番濃い時間でした。その経験は、これからの人生においての私の財産であり、強みとなります。そして、これからもキルギスに関わりつづけていきたいと思います。」

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KRJCの相互交流課における活動においても、仲宗根さんは、次第に自分の強みを活かした領域を切り拓いていきました。その感性を活かしたKRJCの活動のショートビデオやインスタグラムは、他のどのKRJCの素材よりも多くのアクセスを集めました。イベントでも、工夫したポスターや飾りつけ等で、その魅力をぐっと高めてくれました。これらは、KRJCのスタッフにとっても、新たな気付きや刺激となりました。

国際協力の現場では、答えがあるとは限りません。そもそも、何が問題なのかを抽出することも難しい状況もあります。そうした問題に、自分なりの課題を見つけ、解決策を考え、行動に移し、検証していく。乗り越えていける場合もあるし、上手くいかないこともある。そこからまた考える。そうした「場」の提供に努め、見守ってきたKRJC一同も、仲宗根さんの頑張りに元気づけられてきました。

大学2年生、10代最後の年に、中央ユーラシア、天山山脈を見上げる遊牧文化の息衝く街で過ごした時が、今後様々な場面で仲宗根さんの背中を押していく力となっていくことを願い、そしていつの日かまたキルギスにて再会できる日を、一同楽しみにしています。

是非、以下のYouTubeもご覧ください。

※KRJCでは、日本の大学とKRJCの協定締結に基づく学生インターンを受け入れています。ご関心のある大学は、以下にご連絡ください。
iwai@krjc.kg (岩井淳武 キルギス日本センター共同所長)


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