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キルギス共和国日本人材開発センター:北海道で日本技術士会向けセミナーを実施 ~キルギスと北海道の専門家連携に向けた最初の一歩 ~

2025.11.25

2025年11月13日、キルギス共和国日本人材開発センター(KRJC)は、札幌市内にて公益社団法人日本技術士会北海道本部の会員を対象としたセミナーを開催しました。本セミナーは、KRJCが札幌で独自に実施したアウトリーチ活動の一環であり、中央アジア地域における日本の技術者の貢献機会を広げることを目的としたものです。

当日は、技術士会の会員11名が参加し、「キルギス共和国の概要」「キルギスで求められる産業・人材ニーズ」「IT産業の発展状況」「KRJCが日本企業および専門家に提供できる支援」など、KRJCの取り組みについて幅広く紹介しました。講演後には活発な質疑があり、小水力発電、寒冷地道路・インフラ、都市交通計画、福祉・介護、気象観測・雪害対策など、多様な専門分野から具体的な連携可能性が寄せられました。

参加者からは、「キルギスの寒冷地特性は北海道と近く、技術移転の余地が大きい」「JICAの取り組みと連動した形で関わる機会を検討したい」「現地調査やパイロット案件があれば参加したい」といった声もあり、中央アジアに対する関心が確実に高まっている様子がうかがえました。

また、KRJCはJICA北海道の協力を得て、北海道経済産業局、北海道総合政策部、JETRO札幌といった公的機関のほか、道内の主要金融機関、道内企業の経営支援を行う専門機関、農業DX分野を手掛ける企業など複数の組織を訪問し、北海道企業の中央アジア展開の現状、海外事業への意識、産業分野ごとの連携可能性について情報交換を実施しました。特に、農業DX、食品加工、再生可能エネルギー、省エネ建築、IT・BPO、観光、医療といった北海道の強みが、キルギスおよび中央アジアの課題と高い親和性を持つことが確認されました。

KRJCは今回のアウトリーチを契機として、北海道の技術者・企業・研究機関が中央アジアの課題解決に参画できる環境づくりを進めていきます。今後は関心の高い分野でオンライン面談の機会を設けるほか、北海道企業によるカザフスタン・キルギス視察ツアーやJICABIZや草の根協力など国内の公的スキームを活用した共同案件形成も視野に入れています。

KRJCは引き続き、日本とキルギス、そして中央アジアをつなぐ専門家ネットワークの拡大と、両地域の産業発展に資する橋渡し役としての活動を推進していきます。

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