キルギス共和国日本人材開発センター:「共同学習と共創」をテーマに「国際学術フォーラム 2025」を開催
2025.11.27
キルギス日本人材開発センター(KRJC)とキルギス総合立大学(KNU)は、KNU創立100周年およびKRJC設立30周年という二つの節目を記念し、2025年11月12日、「国際学術フォーラム 2025」を開催しました。
「共同学習と共創:グローバル変革の中での国際教育と協力の新たな取り組み」をテーマとした本フォーラムは、KNUでの対面セッションと日本からのオンライン参加を組み合わせたハイブリッド形式で実施され、教育関係者を中心に総勢161名(対面41名、オンライン120名)が参加しました。
本フォーラムには、日本とキルギスの研究者、JICA関係者、学生が一堂に会し、教育・研究協力の深化に向けた多角的な発表と議論が行われました。
来賓挨拶では、ミルザベク・カムチュベク・ウウル氏(KNU 科学担当副学長)、西山健太郎氏(JICAキルギス事務所代表)、アルマズベク・アジモフ(KRJC キルギス側共同所長)、臼山利信教授(筑波大学)より、両国間の学術協力の重要性と今後の展望についてメッセージが寄せられ、フォーラムの意義をさらに深める内容となりました。
基調講演では、JICA海外協力隊による教育協働の取り組みをはじめ、KNU教授による「言語的・文化的障壁の克服」、ISI日本語学校による「日本の教育現場における外国人学習者支援」の実践紹介など、両国の教育機関による報告が行われました。
また、金沢大学・神戸大学・KRJCの合同チームは、「キルギスにおける国際共同学習の教育効果:日・キ学生の質的分析」に関する共同研究成果を発表。北海道大学研究者による日本人学生の異文化理解に関する報告、KNU教授による教員養成の実践比較に関する発表など、多様な視点から教育研究に関する知見が共有されました。
さらに、東京農業大学・京都大学の研究者による、ユキヒョウ調査(SNOW LEOPARD FOUNDATION IN KYRGYZSTAN,SLFK)に関する最新報告、東京理科大学によるSATREPSプロジェクトを通じた新たな研究協力の可能性など、学術分野を越えた幅広いテーマが取り上げられました。
フォーラム終盤の質疑応答やディスカッションでは、参加者から活発な意見が寄せられ、今後の協力に向けた多くの示唆が得られました。
特に、キルギスと日本の共同学習に基づく国際教育連携のさらなる強化、研究者・学生双方のモビリティ拡大、年次フォーラムとしての継続開催への強い支持が示され、学術交流の新たな展開に向けた期待が高まりました。
「国際学術フォーラム 2025」は、キルギスと日本の学術協力における重要な節目となりました。本フォーラムを通じて、大学間の戦略的パートナーシップが一層強化され、共同教育・共同研究の新たな方向性が示されただけでなく、次世代育成に向けた国際教育の重要性が改めて確認されました。
本フォーラムの開催にあたり、ご後援をいただいた関係各位、ならびにすべての発表者・参加者の皆様に深く感謝申し上げます。
KRJCインターン 玉井 秀和(京都大学)
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