キルギス共和国日本人材開発センター:日本とキルギスの学術連携が新段階へ:金沢大学オフィスをKRJCに開設
2025.11.27
2025年11月13日、キルギス日本人材開発センター(KRJC)において、金沢大学パートナーオフィス設置に関する覚書(MOU)の署名式と、同オフィスの開所式が行われました。本パートナーオフィスは、キルギスと日本の学術交流を深化させるだけでなく、将来的には中央アジア地域全体と日本の大学・研究機関をつなぐ学術協力ハブとしての役割を担うことが期待されています。
両機関による署名式
今回設置されたオフィスは、教育・人材交流、共同研究・協働プロジェクト、地域研究ネットワークの構築、日本の他大学への協力展開という四つの協力分野で連携を強化することを目的としています。これらは、KRJC側が2024年から推進してきた「中央アジアにおける国際研究結節点(Research Hub)」構想とも一致しており、中央アジア諸大学との多国間研究や日本の研究者の現地調査支援など、幅広い連携の基盤整備が進むことになります。
式典では、アルマズベク・アジモフ(KRJC共同所長)と金沢大学の山本 寛 教授(国際日本研究教育センター長・国際推進・国際渉外担当 国際学長補佐)が覚書に署名しました。署名後には、KRJC内に設置された「金沢大学キルギス共和国事務所」の看板除幕が行われ、和田隆志学長からのメッセージが紹介されました。
看板除幕式のようす 看板「金沢大学キルギス共和国事務所」
祝辞では、JICAキルギス共和国事務所の西形所長、キルギス国立大学(KNU)科学担当副学長、KRJCアジモフ共同所長より、教育と研究の双方における協力深化への期待が述べられました。特に人的交流や現地共同研究、学術ネットワークづくりの重要性が強調され、日本とキルギス、そして中央アジア諸国を結ぶ拠点として同オフィスが果たす役割が確認されました。
今回の開設により、金沢大学教員・学生の現地調査支援、キルギス人学生・若手研究者の育成プログラム運営、中央アジアを対象とした複数大学との共同研究、地域課題をテーマとしたフォーラム開催など、実践的な取り組みが加速する見込みです。KRJCは調査支援、翻訳・通訳、研究発信支援、ネットワーキング調整など、現地側の研究・教育拠点として機能強化を進めていく予定です。
KRJCと金沢大学は、今回の開所式を出発点として、2025年度末までに初期的な連携事業を実施し、2026年度以降は国際共同研究や多国間ネットワーク形成など、より踏み込んだ協力へと発展させる方針です。
両機関は今後も戦略的パートナーシップのもと、教育・研究・人材育成の分野で継続的な協力を進めていきます
KRJC配属JOCV(JICA海外協力隊)椿 理穂
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