マヤキAU食料システム特使の来日:持続可能で強靭な食料システムの構築に向けて
2023.12.26
11月27日から一週間、イブラヒム・マヤキ アフリカ連合(AU)食料システム特使が訪日し、JICA関係者とアフリカの食料システム構築に関する協議を行いました。滞在中には、外務省、農林水産省、経済産業省庁を訪問し、アフリカの食料システム の現状や課題を共有しながら、安定した食料システム構築に向けた協力要請を行ったほか、国際機関や国内の関係機関への訪問、講演会登壇など、アフリカの食料システム変革の必要性について積極的な発信が行われました。
初日は、マヤキ特使と
JICA
窪田上級審議役及び経済開発部と協議が行われました。
JICA は、マヤキ特使がアフリカ連合開発庁(AUDA-NEPAD)長官を務めていたころから、アフリカ開発協力のパートナー機関として、食と栄養のアフリカ・イニシアチブ(IFNA)を始め、アフリカ・インフラ開発プログラム(PIDA)やアフリカ・カイゼン・イニシアティブ(AKI)、Home Grown Solution(HGS)などの民間企業・スタートアップ支援分野で連携を深めてきました。この度の訪日においても、JICAはマヤキ特使と共に関係機関を訪問、アフリカの食料システムの変革に向けた協議に同席し、今後の取り組みへの連携強化を確認しました。
最終日は、マヤキ特使と
JICA
安藤理事及びアフリカ部との協議が行われました。
12月1日の訪問プログラム最終日には、JICA安藤直樹理事と会談が行われました。一週間の訪問を振り返り、2025年に横浜で開催予定のTICAD 9を念頭に置いた今後の取り組み、連携の強化について話し合いました。また、会談後にはJICAスタッフ向けに特別セミナーを開催、マヤキ特使からは、食料システム変革に向けたアフリカ自身の計画である「食料システムとインフラに係る長期的なアクションプラン」について説明され、政策や制度面での改革、流通のためのインフラ投資、生産システムの改善、人材育成などアクションプランの実現の鍵となる要素について紹介されました。
JICA 内部向けに特別セミナーを開催。 在外拠点からも参加しました。
セミナーでは、「人口増加が顕著なアフリカで、農業の魅力を感じて若者に農業を生業としてもらうにはどうしたらよいか」という参加者側からの質問に対し、マヤキ特使からは「就農者を増やすためには、農業がしっかりと収益に繋がる仕事と認識されることが大切。そのために元手となる資金へのアクセスができるようになることが重要」との意見が述べられるなど、アフリカの食料システム変革実現にむけて活発な意見交換がなされました。
JICAは、今後もアフリカのパートナーとして、持続可能で強靭な食料システム の構築に向けて取り組みます。
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