3/15(金) AFRI-CONVERSE 2024 #1 "アフリカ 2063: 中小零細企業の可能性と草の根の創意工夫" を開催します
2024.03.05
独立行政法人国際協力機構(JICA)、京都大学、および国連開発計画(UNDP)は、アフリカの開発課題について有識者や現場レベルの担当者がパネル形式で登壇する対話型イベント「AFRI CONVERSE」を共同開催します。
通算17回目となる今回は、2025年開催予定のTICAD9に向け、アフリカにおける民間セクター開発の中でも特に、地域に根差した産業や技術の持つ可能性に焦点を当て、地元経済を支える中小零細企業や起業家の活用を通じたアフリカと日本の間の共創と協働の可能性を議論します。また、対面会場ではレイモンド・ギルピンUNDPアフリカ局チーフエコノミストと高橋基樹・京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究専攻教授にもパネリストとしてご登壇頂きます。
メインのセッションでは、アフリカの持つポテンシャルを活用したJICAのヘルスケア産業育成プログラムに携わるコンサルタントや、現地の素材を活用するエチオピアの起業家などにご登壇頂き、アフリカの目指すAgenda 2063[1] に向けて「アフリカ 2063: 中小零細企業の可能性と草の根の創意工夫」をテーマに、ローカルソリューションの可能性およびその活用の現状と課題、そして今後の展望について議論します。
[1] アフリカ連合(AU)が掲げる長期的なアフリカ開発ビジョン。 AU大陸アジェンダとJICAの協力概要 | 広報誌・パンフレット・マンガ・カレンダー・ラジオ | JICAについて - JICA
時間 | プログラム | 内容 |
---|---|---|
17:00 - 17:01 | オープニング | UNDP駐日代表事務所 近藤千華 |
17:01 - 17:05 | イントロダクション | JICAアフリカ部次長 上野修平(モデレーター) |
17:05 - 18:05 | パネルディスカッション | ●BINA PADS(エチオピア)CEO/共同創業者 ファイザ・シェムス ●ボストンコンサルティンググループ(Home Grown Solutions 担当者)アンジェラ・アハドム ●京都大学大学院 アジア・アフリカ地域研究専攻教授 高橋基樹 ●UNDPアフリカ局チーフエコノミスト兼戦略・分析・調査チーム長 レイモンド・ギルピン |
18:05 - 18:25 | 質疑応答 | |
18:25 - 18:30 | 閉会 |
近年のアフリカ開発会議(TICAD)の主眼にもなっているように、日本からアフリカへの投資やビジネスの促進の重要性が高まっています。この潮流はアフリカに進出する日本企業の数に表れており、その数は2010年の520社から2018年には858社へと著しく増加しました。このことは、急成長するアフリカ大陸の経済機会を活用しようという日本企業の機運が高まっていることを示しています。
アフリカで持続可能なビジネスを模索する上では、日本の民間企業が地元企業の持つ可能性を認識することが重要です。特にサハラ以南アフリカでは、労働人口の約85%がインフォーマルセクターに従事しており、地域の若手労働力の大部分を包摂しています。サハラ以南アフリカの一部の国では、インフォーマルセクターの経済活動が国内総生産(GDP)の約62%を占めています。
このような背景を鑑みると、今後日本におけるアフリカへの投資やビジネス推進に関する協議では、フォーマルセクター・インフォーマルセクターの別に関わらず、地域に根差した企業・産業の可能性やリソースを活用し、協働することが重要です。地元発のイニシアチブとの共創は、強固なパートナーシップを築くだけでなく、包括的な経済成長を促進する環境づくりにもつながります。なぜなら地域に根差した企業・産業は地域固有のニーズや多様な文化をすくい取る適応力・持続可能性が高く、また地域社会の結束を促進し、発展の基盤を築く可能性を秘めているからです。
このような例としてJICAは、新型コロナウイルスによるパンデミックの影響でヘルスケア関連商品の流通が不足していたアフリカ地域において、アフリカ発の製品やサービスで、保健医療分野の課題解決を目指す現地企業をサポートするHome Grown Solutions[2]というプロジェクトを実施しています。
[2] Home Grown Solutions:アフリカ発の製品やサービスで、強靭な保健医療体制をつくる:現地企業自らの挑戦をサポート | 2021年度 | トピックス | ニュース - JICA
JICAとUNDPは、日本政府主催のTICAD(アフリカ開発会議)およびアフリカ開発をテーマとする対話型のイベント「AFRI CONVERSE(アフリコンバース)」を2020年から共催しています。「AFRI CONVERSE」では過去のTICADで取り上げられた開発課題のフォローアップと、今後のTICAD開催に向けた議論醸成を目的にこれまでに計16回実施し、日本とアフリカからのべ約3,500人が参加しました。過去に取り上げたテーマには「アフリカにおけるイノベーションとスタートアップの展望」や「サヘル地域の平和と安定について」、「アフリカのデジタル促進」などがあります。17回目となる今回は、次回2025年TICAD9の横浜開催を見据え、多くの日本の皆さんにご参加いただけるよう、日本語での開催(英語・フランス語の同時通訳あり)となります。
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