【実施報告】2016年度高校生国際協力体験プログラム

2016年8月17日

世界のために、今の自分ができること

2016年7月30日(土)から31日(日)の2日間、高校生国際協力体験プログラムを実施しました。
毎回大好評のこのプログラム、今回は中国5県から、国際協力や海外に興味のある21校45名の高校生が参加しました。
1日目は開会式から始まり、参加者全員で自己紹介を行いました。センター到着直後は緊張していた高校生も、自分の名前と出身県、行ってみたい国と今回の意気込みを参加者同士で伝え合うと、自然と笑顔があふれ始めました。

ミニワークショップとJICA事業紹介:異文化を知る、世界とつながる自分を知る

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ゲームを通じて異文化体験

最初はメンバーの結束力を高めるべく、グループ対抗のゲーム「バーンガ」を行いました。言葉を使わず、メンバー全員の合意のもとにルールに従ってカードを並べ替えるこのゲーム、実は異文化体験ができる仕組みになっています。自分の持っている価値観、常識が通用しない場所があることを知り、そのような場面に遭遇したとき自分はどう行動するのか、どんな気持ちになるのかに気づくこと。異文化理解は自己理解でもあるということを、ゲームを通じて参加者に感じてもらいました。
そして、JICA事業紹介では国際協力の意義と必要性、青年海外協力隊の制度についても学んでいただきました。

リアルタイムでインタビュー:日本とインドをつないで

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インドの光畑隊員にインタビュー

このセッションでは、まず「もし活動中の協力隊員に質問するとしたら?」というテーマでグループごとに質問を出し合ってもらいました。その中から最終的に一番聞きたい質問をグループで2つずつ選びました。その後、部屋を移動するとその先には…。
岡山県出身で、現在青年海外協力隊として活動中の光畑梢さんが画面に映っていました。インターネットを使って国境と時差を越えてつながり、高校生はリアルタイムでインドの光畑さんにインタビューを行いました。
光畑隊員からは、現在の住まいや生活の様子、活動内容を写真を使ってお話いただき、参加者は「インドの学校にあって日本の学校にないものは何ですか」「辛いときにどうやって気持ちを持ち直していますか」「インドからみた日本の印象」など、率直な疑問を投げかけました。日本の高校生が一生懸命考えたたくさんの質問に、光畑隊員も熱心に答えてくれました。
最後に参加高校生に「これからも皆さんには世界に目を向けて、将来は自分の目で世界の現実を確かめてほしい」とのメッセージをくれた光畑隊員の笑顔と、インドの田舎の素朴な風景がとても印象的でした。

お楽しみプログラム:研修員との交流!

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みんなで風船バレー!

夕食のあとは、参加者とJICA研修員・留学生とのスポーツ交流が行われました。
シッティング・バレーはその名の通り、座ったままで行うバレーボール。岡山県出身の青年海外協力隊員が考えたスポーツで、膝立ちもNGというルールのもと、地球を模した大きな風船で行うゆったりとしたバレーボールなので、年齢や障害の有無に関係なく、誰もが参加し、楽しめるゲームです。高校生のグループに研修員や留学生が数名ずつ加わり、対抗戦で試合をしました。引率の先生チームも結成され、なんと高校生チームを負かしてしまう程の気合いでした。英語が得意な子もそうでない子も、気持ちが通じたときの嬉しさと通じないことの悔しさ、そして言葉がなくても一緒に興奮できるスポーツの素晴らしさを実感したのではないでしょうか。外の気温に負けない位、全員が熱い時間を過ごしました。

2日目のプログラム:なりきり青年海外協力隊!

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「現地の人」へインタビュー!

2日目のプログラムは、協力隊になりきって配属された赴任先で活動計画を作成する「なりきり青年海外協力隊」を実施しました。今回の国はマレーシア。森林公園で自然を保護しつつ、現地の人々の生活向上をはかるためにはどうしたら良いか。持続可能な開発と社会構築という、国際協力に従事する大人でも難しい問題です。今回のプログラムでは、引率の先生方にも活躍して頂きました。村長、村人、町の人から教育委員会、役人まで、マレーシアの人に成りきって、それぞれの立場から課題や意見を述べてもらいました。高校生は現地の人(になりきった先生方)から情報を聞き取り、そこから課題を見つけ、問題の背景を考え、解決策となる活動計画を練っていきました。
計画作成後は1人1回以上必ず発表を行い、聞く側は村人または配属先の人になりきって計画を聞き、その立場からコメントを行うというルールのため、発表する側も、聞く側も真剣そのものでした。

ふりかえり:今日の気持ちを忘れないで

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すべてのプログラムを終え、最後にこの2日間のふりかえりです。このプログラムを通じて考えたことをふまえ、自分の「決意表明」を発表してもらいました。「世界のことを考え続けていく」「もっと積極的な自分になる」など、様々な想いが飛び出しました。その決意を小さなカードに記入してもらい、全員に持ち帰ってもらいました。時々そのカードを見て、このプログラムに参加した自分を思い出してほしい。そんな小さなお土産です。
盛りだくさんの内容で、猛暑となった2日間でしたが、参加してくれた高校生にとってこの2日間が新たな一歩になることを願っています。
ずっと笑顔で積極的に参加してくれた高校生のみなさん、引率の先生方、ありがとうございました!