【授業実践紹介】ビデオレターを通して知る「同じ・違い」-ラパス日本語学校との交流-(松江市立竹矢小学校)

2022年3月31日

パラグアイにある日本語学校からのビデオレターを見よう!

付箋に書き出した感想をグループ分けしています。

島根県松江市にある竹矢小学校で教鞭をとる勝部知早野先生は、JICA中国の教師国内研修に参加されました。同研修のプログラムとして2021年8月に行われた南米パラグアイにある「ラパス日本語学校」とオンラインでつながったことをきっかけに、自身が担任を受け持つ4年生の児童と日本語学校とのビデオレター交流を行いました。
はじめに児童たちは勝部先生から「日系人」や「移住」の意味について説明を受けました。パラグアイをはじめとする地球のほぼ反対側に位置する南米にも、多くの日本人やその子孫が暮らしていることに驚きを感じたようです。その後ラパス日本語学校の児童たちが作成したビデオレターをみんなで見ました。児童たちが出演者となり、自分たちの日本語学校や町の様子、よく遊ぶ場所にパラグアイの文化や言語、なんと神話までたくさん紹介してくれました。それを見た竹矢小学校の児童たちからは、「すごい!初めて見た」「行ってみたい」「日本(島根)と全然違う!」といった声が上がりました。その後児童たちはグループに分かれ、付箋に「分かったこと」「気付いたこと」「もっと知りたいこと」などを書き出し、似た内容ごとにグループ分けをしました。すると、日本と「違う」ところだけでなく、日本と「同じ」ところも実はたくさんあることに気が付きました。それまではやはりどこか「外国人」という見方をしていた児童たちでしたが、少しの共通点に気付くだけで、まさに同年代の「友だち」を見るような様子に変わっていました。勝部先生がお礼に何をしようか?と問いかけた際に、「私たちも動画を送りたい!」と即答した様子からは、遠い国に住む友だちに私たちが住む日本のことも知ってもらいたい、という思いが込められているようでした。

パラグアイへのお礼ムービーを完成させよう!

発表練習中。ドキドキ!

二回目の授業ではお礼ムービー作りのスタートです。まずは前回付箋に書いたことを基に原稿作りから。発表の時間が限られているので、たくさんの感想や聞きたいことの中から何を伝えるか、伝えたいか、どのように伝えるかをグループで話し合いました。「スペイン語にグアラニー語、さらに日本語も上手に話せてすごいですね」といった感想をはじめ、「カピバラを食べることにびっくりしました!」「日本製のモノが買えるんですね」といった驚きや発見、「パラグアイに行ってみたいです!」「もっとラパスのことを知りたいです!」といったメッセージなど、伝えたいことが多過ぎて絞り込むのが大変だったようです。
原稿ができたら次は発表の練習です。グループ内で発表箇所の担当を決め、練習をします。初めは緊張して声が小さかったり、セリフを忘れてしまったりとうまくいきませんでしたが、日本語学校の児童にお礼がしたい、日本のことも知ってもらいたいという思いから何度も練習を行いました。
次回はいよいよ本番の動画撮影です!いったいどのようなムービーが完成するのか。ラパス日本語学校の児童の反応も楽しみですね。
(島根県JICAデスク 舛本才智)