【実施報告】倉敷市教育委員会 倉敷教育センター・JICA中国連携「初任者研修-国際教育講座-」

2022年9月1日

ワークショップをすすめる北脇推進員

日時:2022年7月21日(木) 13時00分から15時40分
場所:ライフパーク倉敷 大ホール
参加者:岡山県倉敷市 小・中学校新規採用教諭 85名
主催:倉敷市教育委員会 倉敷教育センター
協力:JICA中国

岡山県倉敷市は2020年に国(内閣府)の「SDGs未来都市」に選定される等、全国的にもESD(持続可能な開発のための教育)への取り組みが先駆的な地域です。その倉敷市で今年度教員になられた方を対象にした初任者研修の第5回で、JICA中国が講義と演習を担当しました。

グループでの自己紹介から始まり、異文化を疑似体験するゲーム「バーンガ」、そしてワークショップ「海の向こうのレストラン」まで、『同じ』『違う』を共通のテーマにアクティビティに参加していただきました。
特に、岡山県JICAデスクの北脇推進員が自身の経験と専門知識を生かして作成したオリジナル教材の「海の向こうのレストラン」では、文字が読めないという場面、また読めるけれど内容が分からないという体験をしてもらいました。知らない・理解できないものに遭遇したとき、自分がどんな気持ちになるか、その不安感から他者に対してどのような感情を抱くかなど、疑似体験を通じて異文化理解について考えました。そして、学校現場でも重要なテーマとなっている「持続可能な社会」やSDGsという視点からも、他者理解や多文化共生について考えを深めていきました。

地域で、教室で考える「国際教育」

ワークショップで異文化を体験中

参加された先生からは「学校教育において、身近なところにある違いや偏見に気づき、認め合うことが国際教育につながると思った」、「今までSDGsという言葉を知っていただけで、自分事として捉えられていなかった。ゴールに向かって何ができるか、どんな視点が必要かを考え、子どもたちにも正しく伝えていきたい」といった感想が上がりました。また、外国籍の先生からは「日本にすんでいる外国人として『どうしよう』の気持ちがよく分かる。ほかの先生が私の気持ちを分かるチャンスはとてもありがたい」という、日本で様々な経験をされた当事者だからこその実感を伴った印象的なコメントをいただきました。
学校現場が多様化し、先生方が学ぶべき課題が次々と増えていく中でも、倉敷教育センターは国際教育の意義とその視点を重要視して下さり、JICA中国との連携は7年以上続いています。JICAはこれからも、教育現場で活躍される先生方へのサポートを通じて、グローバルな視野を持った子どもたちの育成に貢献していきます。