【実施報告】2022年度高校生国際協力体験プログラム[ユース海外協力隊 編]

2022年8月26日

今年のテーマ「世界と自分を変える一歩になる~ユース海外協力隊~」

最初の開会式、まだ緊張気味のみなさん

JICA中国高校生国際協力体験プログラムが、2022年7月29日(金)-31日(日) の2泊3日で開催されました。参加したのは、中国5県から集まった高校生32名。新型コロナウィルス感染拡大が懸念される中、ギリギリまで開催できるかスタッフで議論を重ね、感染対策を強化しながら対面での実施を決定した今回のプログラム。参加者は32名でしたが、実は応募者は87名。残念ながら今回参加できなかった多くの生徒がいました。来られなかった生徒の想いと共に参加した人、自身で目標設定し参加に臨んだ人、みなさん様々な気持ちでJICA中国に来てくれていました。
今回のテーマは、「世界と自分を変える一歩になる~ユース海外協力隊~」。参加者は、JICA海外協力隊ならぬ「ユース海外協力隊」として、とある国に派遣され、現地に住む人にヒアリングを重ね、何がその地域の課題なのか洗い出し、整理し、課題解決のためのアクションプランを考えていきます。はじめて会うメンバー同士、自分の役割を見つけ、考え、悩み、グループで協力し合いながら過ごした、そんな3日間をレポートします。

1日目:「異文化を理解する」

自己紹介タイム

ジブチの国についてお話中

まずは、はじめて会った参加者同士やスタッフの自己紹介の時間。今日から3日間このメンバーで過ごします。ゲーム要素を入れ込んだアクティビティで少しずつ緊張もほぐれてきた様子。ジェスチャーゲームでは、はじめは恥ずかしがっていた人も、最後には大きく体を使って表現していました。
その後は、会場を移動し「国際協力って何だ?」の講義の時間。JICA中国塗木職員より、自身の高校生時代の話や国際協力の現場の話などを聞き、グループで意見交換を行いました。
「異文化理解ワークショップ」では、グループに分かれ異文化と出会った時の自身の気持ちの変容や行動のきっかけとなる視点を体験しました。「これまで知らなかった自分を知った」というコメントがとても印象的。新たな自分に気づく時間にもなったようです。
夕食後は、多くの生徒が楽しみにしていた、JICA研修員との交流の時間。6グループに分かれ、インドネシア、カンボジア、ホンジュラス、ザンビア、ジブチの研修員の話をじっくりと聞きます。その後は、ペーパータワー作りなどのレクリエーションを一緒に楽しみました。交流後も一緒に写真を撮ったり、おしゃべりに没頭したり、グループごとに交流を深めていました。

2日目:「ヒアリングで大切なことは相手の立場を理解すること」

村の人にヒアリング中

村の課題について話し合い中

2日目からは、参加者たちはとある国に「ユース海外協力隊」として派遣される事に。その地域の課題を洗い出し、整理し、課題解決のためのアクションプランを作成します。その前に、実際に協力隊として派遣された先輩隊員の体験談を聞きました。(タンザニア・岡本龍太さん/セネガル・田賀朋子さん/ヨルダン・望月奏さん)
「現地の人にヒアリングする時に大切な視点」「何が課題なのかどう洗い出すか」等、活動する上で必要なポイントについて丁寧にお話をしてくださいました。その後のヒアリングの時間では、現地の人(になりきったスタッフたち)にヒアリングを重ね、グループで課題を洗い出していきます。しかし、ヒアリングの途中で何を聞いたら良いのか?迷いに入ってしまったり、情報が多すぎてどこに焦点をしぼるべきか分からなくなったり、別の課題が新たに出てきてしまったり。仲間たちとあーでもない、こうでもないと議論を交わしながら、アクションプランを作成していきました。
夜は、青年海外協力隊経験者でもあるスタッフとの交流の時間。国際協力に興味のある人、悩みを聞いてほしい人、色んな国の料理を知りたい人、先輩から自分が知りたいことをじっくりと聞ける時間となりました。

3日目・アクションプラン作成・発表!

グループでまとめたアクションプラン発表中

最後までやりきって、すがすがしい笑顔の集合写真

あっという間の最終日。前日の夜遅くまで、仲間たちとアクションプランの作成を行っていたグループもありました。発表に向けて、みなさんの緊張感と共に、より良いプランにしようという心意気が、表情から伝わってきます。
みんなの前で、各グループのメンバー全員が一言ずつ発言していき、発表後にポストイットに記入された感想をグループで共有しながらふりかえりました。今回はプランを作成するまでのプログラムなので実際に体験することはありません。もし、今回疑問を抱いたり、心に引っかかる何かがあれば、ぜひ将来国際協力の現場で実際にアクションを起こして欲しい、この3日間がそのきっかけになれたら、と願っています。

「あと一か月、ここにいたい位楽しかった!」
「これまで知らなかった自分を知ることができた」

そんな生徒のみなさんのコメント、JICAスタッフ一同嬉しくなりました。
みなさん、それぞれのフィールドで輝いていってくださいね!