アート(浜田市世界こども美術館・島根県) × JICA草の根技術協力・JICA海外協力隊

アートでめぐる世界の旅「すごろく世界旅行展」に、世界中のJICA海外協力隊や草の根技術協力事業関係者、JICA在外事務所から届いた絵画や動画、JICA中国が所蔵する民族楽器などが登場!7月3日まで。

2022年5月24日

JICAが活動する世界の途上国がアート展に登場!

「すごろく世界旅行展」を開催する浜田市世界こども美術館

JICA中国が後援を行っている【「すごろく世界旅行展」アートでめぐる世界の旅】が5月14日から7月3日まで、島根県浜田市にある浜田市世界こども美術館(公益財団法人浜田市教育文化振興事業団主催)で開催されています。

この企画展では、浜田市世界こども美術館が所蔵する世界の児童画コレクションの中から、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、北アメリカ、中央・南アメリカ、オセアニアと世界を6つの地域に分けて、それぞれの地域の文化や様子が紹介されます。
この展示の一部で、JICA海外協力隊やJICA在外事務所の協力のもと6か国(ブルキナファソ3点、ベナン2点、ガボン4点、ブラジル4点、ニジェール4点、ブータン5点)のこどもたちの作品計22点、また3か国(ニジェール、エジプト、ケニア)の現地のこどもたちや各国の様子が分かる映像、JICA中国が所蔵する民族楽器などが展示されます。
(写真提供:浜田市世界こども美術館)

企画のはじまり「“旅”に出かけること。それは新しい発見、人に出会い、様々な文化に触れ、笑い、考えること」

昨年の浜田市世界こども美術館と草の根技術協力事業の連携事業を進めるなかで、「コロナ禍だからこそ、子どもたちへ私たちができること」を企画したいとお話があり、この企画展の協力が始まりました。
最初の打合せで同館学芸員の方々が「旅に出かけることの魅力は、新しい発見、人に出会い、様々な文化に触れ、笑い、考えること」と、企画の思いをお話してくれたのが印象的でした。
JICAは、開発途上国の課題解決に取り組む事業を実施していますが、そこに関わる事業関係者やJICA海外協力隊や職員も、学芸員の方が表現された旅の魅力のように、様々な人と出会い、発見し、つながりの中で、笑い、悩み、考えることを多く経験しています。
今回、この企画展とアートを通してJICAの活動する世界も旅するように感じてもらえるとうれしいです。
こどもだけでなく大人も楽しめる企画展です。

アート(美術・図工)とJICAの取組み

ベナンの展示の様子(協力:JICA海外協力隊)

同館が草の根技術協力事業を実施するブータンの展示の様子

管内でのJICA海外協力隊パネル展示の様子(島根JICAデスク)

ニジェールの展示の様子(協力:JICA在外事務所)

このようなイベントをきっかけにJICAが現場レベル、地域・国レベルでアートに関して、どのような支援に取り組んでいるかもご紹介したいと思います。

〇現場レベルでの支援(JICA海外協力隊)
JICA海外協力隊事業では、アジア、アフリカ、中東、中南米、大洋州、東欧など世界98ヵ国に5万人以上の隊員を幅広い分野の職種で派遣してきました。その中には、「美術」や「青少年活動」の職種で、小学校や中学校、施設などで図工や美術の授業の指導に携わったり、美術や工芸を教える専門学校などで指導者への技術指導に携わったりするなどして活躍する隊員もいます。
浜田市世界こども美術館は、これまで、島根県にゆかりのあるJICA海外協力隊を通じて派遣国のこどもたちの児童画の所蔵をするなど、交流を続けてこられました。
今回の企画展では、中国地方からケニアやエジプトに派遣されたJICA海外協力隊やJICA事務所員が隊員の配属先で暮らすこどもたちの様子を撮影した動画も展示しています。また、島根県から派遣されているJICA海外協力隊員の活動を紹介するパネルの展示も行っています。

〇地域・国レベルでの支援(JICA草の根技術協力事業)
本企画展を主催する浜田市世界こども美術館(公益財団法人浜田市教育文化振興事業団)とJICAは「ブータン王国での美術指導力の向上とアートを通じた地域活性化プロジェクト」を草の根技術協力事業(支援型)で実施し、ブータン国内で、小学校の科目として導入されてから歴史が浅い美術教育が、学校や教員、地域に根付いていくことを支援しています。

〇美術教育を含めた子どもの教育課題への取り組み(JICAグローバルアジェンダ)
JICAは、「JICAグローバルアジェンダ」として20の課題別事業戦略を掲げ取り組んでいます。そのうちの一つに「教育」分野を掲げ、質の高い教育の提供を可能にすることで、人々が自らの才能と能力を十分に伸ばし、尊厳をもって生きることができる社会の基盤を築き、ひいては持続可能な社会経済開発を推進していくことを目指しています。
教育分野における美術教育は、幼児教育や体育教育とともに、学びに向かう力・人間性等などの非認知能力をはぐくむ教育支援として、草の根技術協力事業等での事業実施が期待されています。