地域理解プログラム in 静岡 ~お茶の歴史とスマート農業を学ぶ2日間~
2025.12.26
2025.12.26
静岡県牧之原市及び島田市で、中部地域の大学院で学ぶJICA留学生(長期研修員)を対象とした「地域理解プログラム」を開催しました。今回のテーマは、日本茶文化の歴史と、農業における最新技術の活用です。2日間にわたり、講義・視察・体験を通じて、地域の魅力と日本の農業の進化を深く学びました。
初日は、静岡市歴史博物館名誉館長の中村羊一郎氏による講義からスタート。牧之原の開墾をきっかけに、日本茶が重要な輸出品となり、静岡が生産・研究拠点として発展した歴史を学びました。戦後の国内需要増加や、近年の健康志向による輸出再注目の動き、さらにティーツーリズムなど、茶文化の未来についても考える機会となりました。研修員からは、気候変動の影響や海外製品との差別化など、活発な質問が寄せられました。
続いて訪れたのは、廃校を活用した交流拠点「マキノハラボ」。代表の浅野拳史氏から、日本の人口減少や廃校問題について説明を受け、地域課題への理解を深めました。また、日本語初期支援教室「いっぽ」の取り組みを動画で視聴し、外国人児童への教育支援の重要性を学びました。
農業用ドローンによる農薬散布の実演では、IT技術が農業の効率化や少子高齢化対策にどのように貢献しているかを実感。研修員からは、自国の農業事情を紹介しながら、ドローンの活用方法や規制について意見交換が行われました。
さらに、2日目には大根農家での収穫体験を行いました。地元の方々と食卓を囲みながら、日本と各国の農業や食文化について語り合いました。また、トマト栽培の現場では、IT技術を駆使した高品質生産の仕組みに驚きの声が上がり、日本産トマトの美味しさを堪能しました。
宿泊はマキノハラボの廃校施設を利用し、参加者同士の絆を深める素晴らしい時間に。BBQや皆でビーチから眺めた朝焼けは、忘れられない思い出になりました。さらに、地域おこし協力隊として活躍するJICA海外協力隊経験者との交流もあり、国際協力や地域づくりについて多くの刺激を受けました。
今回のプログラムを通じて、研修員は「日本の農業と地域の知恵」を学び、自国への応用可能性を考える貴重な機会となりました。牧之原の歴史と未来を感じながら、地域と世界をつなぐ新しい可能性を探る2日間でした。
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