初開催!大学生フィールドワーク合宿 in 静岡県牧之原市 ― JICA中部 × 協力隊OV 共創事業 ―
2026.04.07
国際協力人材の育成、裾野拡大を目的として、2月11日から2泊3日の日程で、国際協力や多文化共生に関心のある大学生20名を対象に、牧之原市でフィールドワーク合宿を実施しました。
本事業は、JICA中部とJICA海外協力隊経験者(以下、OV)による初の共創企画。
舞台となったのは、牧之原市にある廃校を活用した遊んで泊まれる小学校「カタショー」。運営の株式会社マキノハラボは、ルワンダOVである浅野さんが代表を務めます。同施設は、協力隊OVの浅野さん・小松さん・山本さんが中心となり運営し、日本語初期支援教室「いっぽ」やスマート農業事業など、地域に根ざした活動を展開しています。
静岡デスク・浜松デスク、そしてJICA中部市民参加協力課 協力隊班も加わり、皆で内容を練り上げ実現した3日間です。
定員を上回る応募の中から選ばれた20名がマキノハラボに到着。
元・学校ということもあり、施設案内中には「懐かしい!」の声があちこちから上がります。お昼はなんと“給食メニュー”。
ソフト麺、揚げパン、ABCスープ、ミルメーク。
白い割烹着と帽子での配膳体験まであり、あの頃の記憶が一気によみがえります。
懐かしい給食(1日目昼食)
午後は体育館でのチームビルディング。細い丸太の上で順番を入れ替わるワークに挑戦し、初対面ながら協力する大切さを体感しました。
その後、牧之原市役所企画政策課の課長より、牧之原市の現状・課題・展望について講話。質疑応答は予定時間を超えるほど白熱しました。
さらに、マキノハラボを運営する協力隊OV3名から、海外での活動経験と現在の地域活動への活かし方についてお話を伺いました。
学びを個人で振り返り、グループで課題を整理する——濃密な初日となりました。
マキノハラボのOVから
早朝出発し、牧之原市のお隣・藤枝市の山間部にある「むかし田舎体験水車むら」へ。
こちらはマラウイOV・保志さんが運営する施設です。
化学メーカー勤務から協力隊を経て、なぜいま古民家を活用した地域活性化に取り組んでいるのかライフストーリーを聞いたあと、昔ながらの方法でご飯を炊き、自然の中で生活を体験。炊き加減の難しさを実感しながら、化学メーカー勤務というバックグラウンドをもつ保志さんが、炊飯の過程やその間の化学反応を丁寧に解説してくださいました。
便利な家電がなくても、原理を理解すれば応用できる。それは国際協力の現場にも通じる大切な視点です。
保志OVのライフストーリーを聞きながら、むかし田舎体験をする
午後はマキノハラボに戻り、日本語初期支援教室「いっぽ」の見学とその子どもたちと交流。いっぽのコーディネーター・大石さんが、いっぽについて紹介する姿と子供へ指導する姿の使い分けが見られました。見学のあと、学生は子供たちと一緒にジェスチャーゲームやグループ活動を通じて、言葉を超えたコミュニケーションに挑戦しました。最初はぎこちなかった会話も、次第に笑顔に変わっていきます。
ブラジルルーツの男の子が堂々と発表する姿には、学生もスタッフも胸を打たれました。
日本語初期支援教室「いっぽ」について
「いっぽ」の子どもたちと交流タイム
夜はカレー作りと徹底的な振り返り。
「牧之原がどんな未来になったらいいか?」から「どんな風に1日目の課題を解決していけばよいか?」を本気で議論しました。「自分たちの提案」としてどう形にするか悩みつつも、誰もが主体的に意見を出し合えるよう、グループ内で励まし合いながら、そしてマキノハラボの協力隊OVも交じりあいながらアイディアを深めていきました。
グループごとに話し合い
グループ議論について発表
最終日は成果発表。
浅野さんの計らいで、副市長にもご参加いただきました。
学生たちは3チームに分かれ、それぞれの視点で提案を発表。
・「こども」を軸に、日本一女性に優しい街を目指す循環バス構想
・空港利用者の待ち時間を活用した“寄り道の街・牧之原”構想
・サンバを活用した多文化共生×防災啓発イベント企画
2日間の学びと体験を踏まえた、具体性ある提案が並びました。
3グループの提案は副市長に聞いて頂きました
参加者の声として、
・チームで役割を担い、自分の経験を活かせた。さらに新たなチームワークに挑戦できた。
・日本語教育指導者としての姿勢を間近で学べた。
・協力隊OVやJICA関係者との直接交流が刺激になった。
廃校に泊まり、給食を食べ、体育館で汗をかきながら地域の未来を語る。
「あの頃」の感覚を思い出しながら、これからの自分を考える——そんな3日間となりました。
今回の取り組みを通して、国際協力に関心をもつ学生が地域で活動する協力隊OVと出会い、学び合う場がいかに大切であるかを改めて実感しました。特に、学生が国際協力に関わるキャリアパスを具体的に描くうえで、協力隊OVから直接話を聞き、実践に触れる機会は非常に意義深いものだと感じています。国際協力推進員として地域で活動する中でも、こうした人材同士をつなぐ機会の必要性を強く感じており、今回の合宿は両者を結びつける場として手応えを感じました。
今後は、学生が学びから実際の行動に移せるよう、また機会があるならば内容をさらに工夫していきたいです。協力隊OVの皆さんと連携しながら、地域と若者をつなぐ取り組みを引き続き行って参ります。
夕食はおいしいバーベキュー(1日目)
JICA事業の説明