3歳時眼科健診の大切さを伝える ~草の根技術協力事業「ウランバートル市内および近郊の遊牧を含む住民を対象とした3歳児眼科健診の継続実施体制構築事業」~
2026.07.01
2026年4月、株式会社中京メディカル(名古屋市熱田区、以下、中京メディカル)との共同事業「ウランバートル市内および近郊の遊牧民を含む住民を対象とした3歳児眼科健診の継続実施体制構築事業」を開始しました。
中京メディカルはこれまで10年以上にわたりモンゴルへ医療チームを派遣し、検査や手術に関する指導・支援を行ってきました。そうした活動を続けるなかで、現地の口コミを通じて同社を知った保護者から、子どもの目やしぐさに関する相談が寄せられるようになりました。
実際に検査を行うと、弱視や斜視が見つかることも少なくありませんでした。しかし、その多くは既に治療のタイミングを逸していました。
日本のように3歳児眼科健診が広く実施されていれば、もっと早く気づくことができたのではないか---。あのときの悔しさが本事業を実施する原動力となりました。
検査後に飴を頬張るこどもたち(第一回渡航時)
視力の発達に関わる疾患は、一般に6~8歳までに対応することが望ましいとされています。つまり、3歳の段階で異常を発見できるかどうかが、その後の視力に大きく影響します。
日本では1990年代から3歳児眼科健診が全国的に導入され、近年では簡便な検査機器の普及もあり、眼疾患の早期発見・早期治療が進んでいます。一方、モンゴルでは母子手帳に健診項目の記載はあるものの、必ずしも十分には実施されていません。その背景には、専門医・スタッフの不足やコスト面の課題に加え、健診の重要性に対する社会的な理解の不足があると考えられます。
キックオフ会議の様子
眼科医療は医師一人では成り立ちません。医師、看護師、視能訓練士(※弱視および斜視の視能矯正や視機能検査の医療専門職)が連携し、チームとして機能することで、はじめて継続的で質の高い医療サービスが提供されます。
本事業では、現地において健診を担う医療チームの育成と体制作りを支援し、将来的に自立して3歳児眼科健診を実施できる仕組みの構築を目指します。
あわせて、遊牧民を含む保護者や地域社会に向けた啓発活動にも取り組み、「早く気づくこと」の大切さを広げていきます。
本事業は2028年6月までの実施を予定しております。今後の展開にぜひご注目ください。
参考文献:公益財団法人 日本眼科医会「3歳児健診における視覚検査マニュアル~屈折検査の導入に向けて~」2021_sansaijimanual.pdf
写真提供:株式会社中京メディカル