JICA海外協力隊・佐藤隊員とタイ代表チームが安城市体育館を訪問!〜国や言葉を超えた交流を通じて〜
2026.07.08
6月23日、JICA海外協力隊としてタイに派遣されている佐藤隊員と、第20回アジア競技大会に向けて日本で事前合宿をしているタイ代表チーム19名が安城市体育館を訪れ、地元の中学生との交流を行いました。今年、JICA中部でインターンとして活動している勝野から報告させていただきます。
タイ代表チームを最初に出迎えたのは、中学生の「สวัสดีค่ะ(サワディーカー)」という元気な挨拶。また、タイ代表チームの中には、日本語で「こんにちは」と挨拶をしてくれた選手もいて、お互いの言葉で挨拶を交わしました。
交流会は、佐藤隊員の活動発表から始まりました。佐藤隊員は、2025年8月から青年海外協力隊としてタイに派遣され、主に中高一貫校の選手へのソフトボール指導、各地域での普及活動、そしてタイ代表チームのサポートと通訳を行っています。現在、佐藤隊員が共に活動するタイ代表チームには、高校生から社会人までが所属しており、多くの選手が仕事や学業と両立しながらソフトボールに取り組んでいるそうです。
続いて行われたのが、佐藤隊員によるタイの紹介です。
佐藤隊員は、タイ語で砂糖を意味する「น้ำตาล(ナムタン)」と愛称で呼ばれています。タイではお互いを愛称で呼び合う文化があり、佐藤隊員もタイ代表選手から親しまれている様子が伝わりました。また、タイは「微笑みの国」と呼ばれるほど、人々が温かく笑顔で接してくれる国であることや、食べ物がおいしいことなど、タイの魅力についても紹介してくださいました。
タイで活動を始めて約10か月が経った現在、印象的なこととして挙げられたのが、「マイペンライ(大丈夫)」という考え方でした。遅刻をしても、ボールがなくなっても、「マイペンライ」とすぐに受け流してしまうことに戸惑うこともある一方で、その考え方に助けられたり、前向きに乗り越えられたりする場面も多くあるそうです。
さらに、言葉の壁を乗り越えるために、佐藤隊員がタイ代表の選手たちに簡単な日本語を教えていることも紹介されました。そのため、実際に選手たちが日本語で中学生と積極的に交流を行っている姿がとても印象的でした。
最後に佐藤隊員が中学生に伝えたメッセージは、「世界はすごく広くて大きくて楽しい」ということでした。「言葉が通じなくても仲良くなれる。」 その言葉のとおり、交流会では言葉が通じなくても、笑顔やジェスチャーを交えながらコミュニケーションを取る姿が多く見られました。
続いて行われたのが、タイ代表チームによるタイ語のレクチャーです。
タイ語は男性と女性で語尾が変わることが紹介され、その後はジェスチャーを交えながら、タイ語が日本語でどのような意味になるのかを当てるゲームが行われました。交流の中では、中学生が正解すると、普段佐藤隊員から日本語を教えてもらっているタイ代表選手から「いいね!」「かわいい!」など日本語で歓声が上がり、拍手や笑顔で称える場面も見られました。また、タイ語には声調によって意味が変わる特徴があることも紹介され、声調の違いから言葉の意味の違いを当てるクイズにも挑戦しました。普段、声調を意識する機会が少ない日本人にとっては難しい内容でしたが、佐藤隊員も中学生と一緒に考えながら参加し、会場は大いに盛り上がりました。
質疑応答では、10名以上の生徒が積極的に手を挙げ、ソフトボールの魅力や日本に来て驚いたことなどについて質問しました。時間の都合ですべての質問に答えられないほど、生徒たちは意欲的に交流会に参加していました。
また、タイ代表チームが退場する際には、アジア大会に向けてこれから頑張る選手たちへ、中学生がタイ語で「頑張れ」を意味する「スー・スー!」と声援を送り、ハイタッチしながら見送りました。
言葉は十分に通じなくても、お互いに気持ちが通じ合う場面が何度も見られ、国や言葉の違いを越えて交流する姿がとても印象的でした。これからの社会を担っていく中学生たちが、このような交流を通して異なる文化や価値観に触れ、相手を理解しようとする姿勢を育んでいくことは、世界とのつながりを広げる大切な一歩になると感じました。また、佐藤隊員が日頃から丁寧なコミュニケーションを重ね、築いてきたタイ代表選手との信頼関係も伝わってきました。その自然なやり取りからは、佐藤隊員の人柄や現地での活動の成果を感じました。今回、言葉の壁があっても、お互いに歩み寄ろうとする姿勢によって交流が深まっていく様子を見ることができ、とても有意義な時間となりました。