研修「JICA中部 開発教育指導者研修(実践編)」を開催しました!
2026.07.27
年間研修である「開発教育指導者研修(実践編)」を開催しました。
今年は岐阜県、静岡県、愛知県、三重県に加え、遠方の県からの参加があり、教職員やNPO団体のスタッフなど、開発教育の理念や手法を学びたい35名が集まりました。今回は研修の第2回で、7月18日・19日の2日間にわたって研修を行いました。講師はNIED・国際理解教育センターのファシリテーターです。開発教育で欠かせない参加型学習の手法を実際に体験しながら学び、理解を深めました。
はじめに、世界のユニークな文化や驚きの雑学について、クイズ形式で学びました。世界には、「塩湖の塩でできたホテルがある」「ネズミの串焼きは雨季のごちそうで、主食はシマである」など、私たちにとって驚きの文化や暮らしがあります。参加者からは「知らなかった!」という声が上がり、楽しみながら学びを深めていました。また、自分たちの「当たり前」が、世界の人々にとっても当たり前とは限らないことを実感する時間となりました。
この研修では、「多様な世界と肯定的に出会う」ことを大切にしています。まずは、同じ地球に暮らす人々や国々を肯定的に捉えることが出発点となります。
続いて、日本の食料自給率や労働力、一次エネルギー供給の現状を題材に、グローバル化と相互依存について考えました。このワークを通して、私たちの日常生活が世界中の国々によって支えられていること、そしてその中には多くの開発途上国とのつながりがあることを改めて認識しました。
最後に、SDGsゴール1「貧困をなくそう」、ゴール13「気候変動に具体的な対策を」をテーマに、ブレインストーミングや因果関係図を用いて課題を追究しました。参加者は模造紙を囲みながら活発に意見を出し合い、貧困の悪循環を断ち切るために必要なことや、気候変動の原因・影響について考えを深めました。
多様な意見を出し合うことで、他者の考えと自分の考えが結びつき、新たな発想や気づきが生まれます。参加型学習ならではの学びの深まりを実感する時間となりました。
開発教育は、人類共通の課題について知識として学ぶだけでなく、よりよい社会を共に創るために、自ら考え行動する力を育むことを目的としています。「知る」、そして対話を通して「考える」。さらに、そこから得た「気づき」を「行動」へとつなげていくことが、開発教育の大切な目標です。
2日目は、人権をテーマにした一連のプログラムを体験しながら学びました。
まず、「もしも人権が守られなかったら」というテーマで派生図を作成し、人権侵害が個人や社会に及ぼす影響について考えました。また、多様性のメリットとデメリットを対比表で整理し、多様な人々が共に生きる社会について理解を深めました。
社会の多様性そのものを変えることはできません。だからこそ、多様な人々が共に生きる現実をどのように生かしていくのかを考えることが重要です。
最後に、マイクロアグレッションについて学び、「ふつう」とは何か、人権侵害はなぜ起こるのかについて考察しました。参加者からは、「身近な問題だと感じた」「実際にこのような発言をしてしまったことがある」などの声が聞かれました。
世界で起きている問題を知るだけでは、必ずしも行動にはつながりません。しかし、自分自身の生活や価値観と結び付けて考えることで、課題を「自分事」として捉えることができます。参加者にとって「気づき」を「行動」へとつなげる大切な機会となりました。
研修の最後には、それぞれが人権尊重社会の実現に向けた「行動宣言」を行いました。目の前の小さなことから着実に取り組んでいこうという思いを共有し、2日間の学びを締めくくりました。
JICA中部では、開発教育の裾野を広げることを目的に、開発教育・国際理解教育について豊富な知識と実践経験をもつ方々に、「開発教育ナビゲーター」として活動していただいています。開発教育ナビゲーターは、「開発教育指導者研修(実践編)」の過年度受講生であり、それぞれの教育現場で開発教育・国際理解教育の実践に継続して取り組んでいます。
今回の研修終了後には、開発教育ナビゲーターによる「開発教育実践相談・交流会」を実施しました。交流会では、「実際の授業時間をどのように確保すればよいのか」「担当教科の中でどのように取り入れればよいのか」といった、開発教育の実践に向けた不安や悩みについて相談が行われました。
開発教育に関心がある方、実践を進める中で内容や方法に悩んでいる方、ナビゲーターに相談してみたい方は、ぜひJICA中部 開発教育支援事業担当(cbictpp@jica.go.jp)までお気軽にお問い合わせください。