jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

研修「JICA中部 開発教育指導者研修(実践編)第3回」を開催しました!

#4 質の高い教育をみんなに
SDGs
#10 人や国の不平等をなくそう
SDGs
#16 平和と公正をすべての人に
SDGs

2026.09.02

第3回テーマ
「知る・考える・気づく・行動する」をつなぐ ― 流れのあるプログラムの作り方 ―

 年間研修である「開発教育指導者研修(実践編)」の第3回を開催しました。
 本研修は、開発教育の目的や学習内容、参加型学習の手法について理解を深め、実践者としてのスキルアップを図ることを目的としています。また、指導者同士の連携を深め、地域における開発教育のネットワークづくりにつながることも期待されています。
 今回は、8月22日・23日の2日間にわたり実施しました。講師はNIED・国際理解教育センターのファシリテーターです。参加者は、開発教育で欠かせない参加型学習の手法を実際に体験しながら学び、理解を深めました。

1日目 教えずに「気づき」を引き出すためのアイデア

 1日目は、環境問題をテーマに、「分かる」だけでなく「行動する」ための学びについて考えました。
 持続可能な社会の実現には、「物質循環」「生物多様性」「資源の有限性」という3つの原則に加え、「低炭素」という視点が重要です。しかし、それらの知識を伝えるだけでは、人々の行動変容にはつながりません。そこで研修では、「教える」のではなく、「参加者自身が気づく」ための学習プログラムについて考えました。例えば、「生物循環」を扱う場合には、身近なものの行き先を図に表し、人間の活動が循環にどのような影響を与えているのかを考える学習活動が提案されました。また、「資源の有限性」については、身の回りの物の素材を調べることで、石油由来の製品が私たちの生活の中で数多く使われていることに気づくプログラムも考案されました。参加者からは、「アクティビティを考えるのは楽しい」「環境問題も身近なものから考えられる」といった声が聞かれました。

 続いて、開発教育が育てたい力について整理しました。
 開発教育は学習者主体の教育であり、「知る・考える・気づく・行動する」という流れを大切にしています。その土台には、自分や社会に対する価値観を育むことがあります。また、よりよい社会づくりに関わる力として、「わたし」に関わる力(自己理解・セルフエスティーム)、「あなた」に関わる力(他者理解・コミュニケーション)、「みんな」に関わる力(協力・社会参画)の3つが相互に結び付きながら育まれることを学びました。
 環境や人権、平和などのテーマについて学ぶことを通して、こうした力を身に付けていくことこそが開発教育の目指す姿です。改めて、開発教育が「参加型教育」であり、「スキルを育む教育」であることを実感しました。
 最後に、参加型手法の事例について学びました。手法の紹介も講義形式ではなく、ジグソー法を用いて行われました。それぞれが学んだ内容をグループ内で共有しながら理解を深めました。

2日目 参加型手法とプログラムづくり

 2日目は、いよいよプログラム作成に取り組みました。
 開発教育のプログラムは、単にアクティビティを並べるだけではありません。学習者にどのような気づきを促し、どのような行動につなげたいのかという「ねがい」や「ねらい」があり、それに沿ったストーリー性が求められます。参加者は、それぞれの関心のあるテーマについて、「何を伝えたいのか」「どのような学びを生み出したいのか」を考えながら、5つのステップでプログラムを作成しました。プログラムの流れを組み立てる作業は簡単ではありません。活動の順番を少し変えるだけで、学びの質や流れが大きく変わるためです。そのような中でも、常に「ねらい」に立ち返ることで、プログラムを整理し、軌道修正することができました。派生図や対比表などの手法を活用しながら、自分の考えを可視化し、思考を整理していきました。

 午後は、グループごとにプログラムを作成し、実際にファシリテーションの練習を行いました。個人作業とは異なり、多様な意見をまとめながら合意形成を図る難しさもありました。しかし、参加者からは、「いろいろな意見が出て収拾がつかない。でも、どんな意見でも安心して言い合える雰囲気がある」という声が聞かれました。参加者は岐阜県、静岡県、愛知県、三重県などから集まっています。顔も名前も知らなかった参加者同士でしたが、第3回の研修を終える頃には、同じ志を持つ仲間としてつながりが生まれていることを感じました。参加型学習を通して、「わたし」「あなた」「みんな」に関わる力が、参加者自身にも育まれていたのかもしれません。
 研修の最後には、8グループそれぞれがプログラムを完成させました。どのプログラムも実際に体験してみたくなる魅力的な内容でした。この中から3つのプログラムが、2027年2月21日に開催予定の「実践報告フォーラム」で一般参加者向けに実施される予定です。ご関心のある方は、ぜひご参加ください。

いよいよ実践へ

 第3回研修を終え、次回の集合研修は来年2月となります。9月からの約5か月間は実践期間です。参加者は、それぞれの学校や活動現場においてプログラムを作成し、実践に取り組みます。そして、その成果が2027年2月21日の実践報告フォーラムで発表されます。どのような実践が生まれるのか、今から楽しみです。

JICA中部・開発教育ナビゲーターを知っていますか?

 JICA中部では、開発教育の裾野を広げることを目的に、開発教育・国際理解教育について豊富な知識と実践経験を持つ方々に「開発教育ナビゲーター」として活動いただいています。
 開発教育に関心のある方、実践を進める中で内容や方法に悩んでいる方、ナビゲーターに相談してみたい方は、ぜひJICA中部 開発教育支援事業担当(cbictpp@jica.go.jp)までお気軽にお問い合わせください。

\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
一覧ページへ