【実施報告】中国地方初!「withコロナ」で草の根技術協力事業の本邦研修を実施しました
2023.01.26
コロナ禍により、2020年3月以降2年以上にわたり、草の根技術協力事業の本邦研修は全国的に中断されていました。2022年になりようやく、感染予防対策や、万が一の時にはどのように対応するかなど万全の準備をし、本邦研修を再開することができました。中国地方でも2022年9月にコロナ禍発生以降では初の本邦研修を実施しました。
実施団体の方々よりご報告をいただきましたので紹介いたします!
「『こけないからだ体操』を通じた介護予防事業の支援」事業で、社会福祉法人やすらぎ福祉会と岡山県津山市は、2022年9月7日から9月11日の日程で本邦研修を実施し、ベトナムの、それぞれの対象地域から選出された5人の研修員が訪日しました。
研修員たちは津山市長を表敬訪問したのち、津山市が取り組んでいる介護予防事業の制度や事業内容について、医師会や、介護予防アドバイザーから講義を受けました。そして、実際に10年以上介護予防の体操を続けている高齢者のコミュニティーを訪問し、直接高齢者に体操の効果や継続している理由などをインタビューしました。
その後、研修員は大阪、神戸に移動して、関西に拠点を持つ社会福祉法人晋栄福祉会の介護施設や、大阪市鶴見区西部の地域包括支援センターを訪問しました。そこでは、地域包括ケアシステムの構築について意見を求め、制度として運用の仕組みを学びました。
短い滞在でしたが、介護予防を実践している高齢者の声を聴いたり、地域包括ケアシステムについても学んだり、様々な立場で活動している現場の声を聴き、皆さん満足して帰国されました。急速に高齢化が進むベトナムにおいて、介護予防のための人材育成が急務となっており、ベトナム側関係者にとって得るものが大きい研修となりました。
津山市長表敬
体操を体験
介護予防プログラムの講習
日本の高齢者と一緒に実践
2022年9月8日から9月16日にかけて、特定非営利活動法人ハート・オブ・ゴールドはカンボジア体育及び発展のための本邦研修を実施しました。カンボジアから14名の研修員を招聘し、日本における体育科教育の実施状況を視察し意見交換することで、授業計画の作成法や授業中の指導、施設や器具の管理など、体育科教育への理解を深め、カンボジアで充実した体育科教育の実施につなげて行くことを目指しました。
岡山市内の小中学校では、授業での生徒の活き活きとした姿と先生方の熱心な指導に、研修員の皆さんは感銘を受けました。各授業後の協議では、子どもたちの意見の引き出し方や、ハードルや走り高跳びなど恐怖感のある課題に子どもたちが前向きに取り組めるよう、先生が意識されていることなどを、質問していました。また、日本とカンボジアでの学校内外での教員向け研修体制の違いや、文化の違いについての意見交換もでき、研修員の皆さんは校内研修をより充実させ、各地方の教育局で独自に先生への研修機会を設けるなどして、この経験を活かしたいと話していました。
岡山大学ではカンボジア独自の体育科教育をいかに作り上げていくかについて講義を受けました。研修員の皆さんは、用具や場所が限られたカンボジアの体育科教育でも、子どもたちの学びあいを大切にし、教員同士が協力し合う環境を整えたいと考えていました。
日本での体育科教育を見学するのみならず、その経験をいかにカンボジアに還元し、子どもたちに伝えるか、研修員の皆さんはその志を一層強いものにして、帰国しました。本研修にご協力いただいた関係者の皆様にカンボジアの体育がさらに発展したことをお礼として伝えられるよう、カンボジアでの体育科教育の発展・普及に引き続き取り組んでいきます。
授業見学後の意見交換会。相互理解を深めました。
日本の先生方には、感謝の気持ちとともに記念品をお贈りしました。
岡山城を訪問。日本特有の建造物や庭園を見学。驚きの声が上がりました。
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